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大学教授にセックスしてもらえる特区

香川大学は3月に準強制わいせつの罪で懲役二年の実刑判決を受けた岩月謙司教育学部教授を懲戒解雇した (四国新聞).わいせつな行為をしたということで相談者の女性に訴えられていたものだ.その女性は,教授の著作などでその独特な心理療法を知って自発的に教授を訪れていた.教授側はその女性の意思に反することはなかったと言っているので,なんらかのコミュニケーションの失敗があったのだろう.

で,懲戒解雇の理由はなんだったのだろう? 国立大学法人香川大学職員就業規則に以下の記述がある.

(諭旨解雇又は懲戒解雇事由)
第69条 職員が次の各号の1に該当する場合は、諭旨解雇又は懲戒解雇する。ただし、 情状により、諭旨解雇又は懲戒解雇以外の懲戒処分にとどめることがある。

  • (1) 正当な理由なく、無断欠勤が1月の内に21日(連続している場合は休日を含む。) 以上に及び、再三にわたる出勤命令に応じない場合
  • (2) 他の職員、来訪者、学生又は患者に対して暴行・強迫行為に及んだ場合
  • (3) 倫理又はハラスメントに関する規定に対する重大な違反行為があった場合
  • (4) 大学法人の名誉又は信用を著しく傷つけた場合
  • (5) 故意又は重大な過失により、大学法人に重大な損害を与えた場合
  • (6) 禁錮以上の刑に処せられた場合
  • (7) その他前各号に準ずる事由が生じた場合

報道によれば,懲戒解雇にいたった理由は以下のようなものだ.実刑判決に加え,公判を通じ同教授が約二十人の相談者と「タントラ」と称して性行為におよんでいたことが事実認定された点を重視し,「大学教授の行為としては許されない」と判断した.また,一井学長は「社会的使命を担う大学の名誉と信用を失いかねない事態を招いた」と謝罪している.こららの報道から考えると,上記の理由で該当する可能性があるのは 3, 4, 6 あたりだろう.

  • (3) 相談者は大学関係者ではないのでハラスメントとは考えにくい.倫理規定についても,大学のコンプライアンス・ガイドラインや行動規範に反するようなことは見当たらない.一般的な学問倫理,医療倫理に反するものとしては,たとえば対象となる人間の同意を得ていなかったというのがあるだろう.しかし,これについては相談者の女性と岩月側の主張が一致していないので本当のところは分からない.
  • (4) 岩月教授の行為が大学の名誉又は信用を著しく傷つけたとは学長さえ言っていない.それらを「失いかねない事態を招いた」と言っているだけだ.じっさいのところ,一教授の行為は大学が公式に行ったこととはちがうので,(いちぶその区別が分からないバカが騒ぐのは仕方ないとして) 大学の名誉にはほとんど影響しない.「大学教授の行為としては許されない」とされた性行為にしても,なにが不名誉なのだろう.大学教授が同意の上で学外の女性とセックスをするのは許されないのか? 人数が多い (?) から駄目なのか? 何人だったら問題ないのか? 学外でやったから駄目なのか? いろいろと疑問が出て来る. そもそも学者が自分の信じる主張をすれば,社会常識に反するばあいがある.それを「大学法人の名誉又は信用を著しく傷つけた」として処分する規則の方が問題だろう.
  • (6) 懲役二年の実刑判決を受けたので,これは該当する.ただし岩月元教授側は判決を不服として控訴している.

香川大学は教授を解雇などせずに特区申請でもすればよかったのだ.異端の心理療法や治療を一般人が (もともと資格のない岩月のような研究者から) 受けられる環境を整えればよかった.それは香川大学のめざす地域貢献にもなる.

たしかにひとりの女性とはコミュニケーションの失敗があったかもしれない.しかし人間を相手にする以上,百パーセントの成功というのはありえない.育て直しのような異端の療法を施せば,一割や二割くらいから苦情が来るのは当たり前だろう.たとえ不満足がいちぶあったとしても,犯罪など致命的な欠陥がない限り (今回はおかしな裁判官の趣味で犯罪とされてしまったのだが) やり続けていい.そして,大部分の「顧客」が満足しているなら,やり続けてもらうほうが社会的には望ましい.(社会的に望ましくても,教授個人にとってはコストが大きいため提供するのが損ということはある.) もし続けていれば美容整形やペットや占いと同様あるいはそれ以上に,多くの女性を救うことができたはずだ.希望者にはおむつプレーのみならず「タントラ」なるセックスも提供できたかもしれない.素晴らしいことではないか.

たしかに岩月教授の研究やそれから派生したと思われる療法は異端だったかもしれない.(私個人は彼の一連の研究を「科学」とはみなしていない.反証可能性」など「科学」の条件を供えていないからだ.) しかし異端であるとか科学でないというだけでは大学から追放すべき理由にはならない.主流派経済学からみれば,マルクス主義経済学は根本から誤っている異端であり,マルクス主義自体は信仰であって科学ではない.だからといって,マルクス経済学を大学から完全に追放した方がいいということにはなっていない.学問では,なにが正しいかについて最終的な決着はついていない.今日の異端は明日の主流になるかもしれない.この大学の一井眞比古学長が最近メールマガジンに寄稿しているように,大学は多様性を認めなければ学問的使命をまっとうできない.学長にはリップサービスだけではなく,大学と学問にとって必要な自由を真剣に守ってもらいたかった.

【2006/04/08 23:36 】
| 大学 | コメント(4) | トラックバック(0) |
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コメント
関係ないけどなんか形変形して見づらくなってるね。
【2006/04/25 02:41】
| URL | ほみ #-[ 編集] |
名前変えたの?

いちぶ環境で,トップページの最初記事がだいぶ下の方になっていたのは知っている.新しい記事を書いたけど,もとに戻っただろうか.
【2006/04/27 20:16】
| URL | 平凡助教授 #-[ 編集] |
名前はいつも適当だよ。
【2006/04/29 00:14】
| URL | ほみ #-[ 編集] |
そうか,あのページはキミだったのか.
相変わらず早とちりだなあ.自分の身体をたいせつに.
【2006/04/30 05:45】
| URL | 平凡助教授 #-[ 編集] |
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