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年越し派遣村で出さなかったカニを食べるのは教育サービスを受けるようなもの

世は不景気ということだ.せっかくの不景気の年だから,価値を生み出せない企業や部門が順調に潰れてくれることを期待したい.その分浮いた労働力は,もっと消費者の需要のある---つまり社会に役立つ---分野で生かされることを願っている.どういう分野かは各自探してくれ.それが市場経済だ.

以上,やや遅れた新年の挨拶.特に今年は古い日本が潰れてくれるのを楽しみにしている.(べつに民主党を応援するわけじゃないよ.)

不景気で学生が就職の内定取り消しをくらったりしている.会社員も残業が減ってヒマになったりしている.専門職大学院の教員は,例年になくうれしそうだ.これで定員割れの心配も少なくなりそうだと.じっさいどうかは分からないけど,まあ,そういう効果はあるのだろう.

内定取り消しをもらった学生の深刻さというのは,専門職大学院に参加しないノーマルな大学教員にとっても,なかなか実感を持てないものだ.「そりゃよかったじゃないか.韓国にでも留学して韓国語勉強するといいぞ」とか,自分が密かにやりたいと思っていることを無責任に薦めたりする.

みずからが学生時代安易に卒業を延ばしたり,長年貧困レベルすれすれで生きた経験のある教員もけっこう多い.「自分が大学四年生のときも不況で就職は大変だった.自分はどこにも内定をもらえなかったので,とりあえず大学院に進んだ.いや,卒業を延期したんだっけ.細かいことは忘れたけど,こうやっていつのまにか教授になってた.まあ,就職していたらいまごろは会社役員になって金持ちにはなってたかもしれんが……べつに教授になってしまったからといって自分は恥じてはいない」という感じだ.あはは.

そうじゃなくても,現代の学生はボクらの時代とちがって豊かな生活をしているので,同情というのはむずかしい.そもそも能力的にも開発途上の学生が大部分で,「あれで正社員として採用しなきゃならない企業も大変だろうな」という状態で卒業できてしまう.

さて,日比谷公園の「年越し派遣村」がメディアで不相応な注目を浴びていたようだ.お正月でニュースが欠乏していたという事情もあるだろう.その割には 500 人くらいしか集まらなかったというのは,まだまだ良識を持つ日本人が多いということか.(集まった「ボランティア」は 1600 人以上とか.)

そのニュースを見たボクといえば,高校卒業以来,勉強や仕事で忙しくて,新年に帰郷したのは一度くらい.(典型的な独身男性の正月なんてそんなもの……でもないか.) その村に集まったのも帰郷しないひとたちなんだろうが,そちらは仕事をしたいけど帰郷しない人々ということだった.と書くと分かりにくいな.「仕事を探してはいるけど仕事がない.しかしヒマだからといってまともな仕事についてない状態で帰郷するのも恥ずかしい.生活保護の申請なんてめんどくさそうだし,自分一人だけするのもかっこ悪い」といった感じの,プライドが高いというか,まじめなひとが多いのだろう.いいことだ.(もちろん派遣村で活動家としての「仕事」をこなしていたコアメンバーもいたはずだが.) 「ボクみたいに正月から仕事しなくてもいいじゃん」と思わなくはないが,そんなことを言っていてはニュースとしての切迫感が出ない.(このあたりについては元ジャーナリストの池田信夫が触れている.)

日比谷公園に集まった,仕事の切れ目 (between jobs) にいる人々が温かいご飯を食べているあいだ,ボクもモチくらいは食べた.もちろん帰郷はせずに.そういえばカニも食べた.それが彼らとボクのちがいだ.(彼らとちがって携帯電話こそ持っていないが) カニくらいは食べられるくらいそこそこ恵まれていると,今のようなチャンスがあってもなかなかみずから起業する気にはなれない.全国の失業者のみなさん,労働機会を創出できなくて悪いね.いや,もともとボクのようなビジネスセンスのない人間にはだれも期待してないよなあ…….

派遣労働にたいする規制が強化されたら,大学の非常勤講師はどうなるんだろうか? ふと思った.大学は非常勤の採用をやめ,かわりにボクらの仕事がきつくなるかも.「いや,あれは派遣じゃないから該当しないだろ」といえば,そうかもしれない.しかし不正社員……とは言わないな,なんだっけ? 正社員以外全般にたいする規制が強化されれば似たようなことだ.というか,この非常勤講師の例はあくまでも一般的な問題の構造を指摘することが目的なので,ごちゃごちゃ言うな! 要するに大学非常勤講師に限らない一般論として言おう.働き口が減り,残された仕事の負担は増えるんじゃ? だれがうれしいのか?

ところでカニを食べるというのはあれは消費活動だろうか? 満足を得るためにはかなりの生産的努力を要することは,経験のある者には分かるだろう.ピーナッツの比ではない.ボクは12月にも経験したとき,もう一年くらいはカニを食べたくないと思ったのだが,案外早くこの労働はやってきた.一定の生産的な活動なくしては消費の満足を得られないのが,カニの消費だ.

一定の生産的な活動なくしては消費の満足を得られない商品としてもっと適切な例はないか.ガソリンを入れないで「クルマが動かない」と文句言ったり.お湯をかけもしないで,「このカップラーメンは食えたものでない」と言ったり.それらも例にはちがいないが,たいした生産的努力ではない.やっぱり消費のために相当な努力がいるといえば,教育だろうな.「ガソリンも入れないで「クルマが動かない」と言われても: 教授会から中継」でも書いたけど.

だからなんだって? このブログの左側の information 欄に Reiju の共有アイテムが追加されたことにお気づきだろうか? そこでのつぶやきは,結論を出したり主張を述べたりすることを特に意識してないようだ.アイディアによってなんらかの刺激を得たいひとには,それで十分かもしれない.この記事も同様ということにしておく.

追記 (1/7/09)

タイトルと語句の修正ほか,いろいろ加筆した.

【2009/01/06 23:46 】
| 社会 | コメント(3) | トラックバック(0) |
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コメント
>>それが市場経済だ。

言ってくれますねぇ~。生産性の低い企業が潰れ、高い企業へ労働力が流れればいいと(笑)。

社会を知らない世間知らずなんだから、もう少し、労働法なりを勉強すべきだと思いますよ。臭ってますよ、青臭さが(笑)。
【2009/02/01 04:52】
| URL | 坂上逸 #-[ 編集] |
ふうむ,従業員を解雇できなくて困ってる社長さんかなんかですか.

生産性の低い企業は潰してしまえば解雇規制があっても解雇はできるんじゃないですかね.そして不景気の年に期待したいのはその潰す方.べつに労働法があっても,ここまでは簡単でしょう.労働法は企業の選択肢を狭めることにより,企業を潰すことを推進はしても邪魔はしないのでは.

と思ったが,規制がなくなって起業し易くなると逆に潰すのも簡単になる (「この会社潰して,ちがうの作ろう」).となると規制は潰すことを邪魔している面はあるなあ.なるほど.Thanks!

ま,いずれにせよ,潰すとしたら生産性が低い方になるのは変わらないでしょう.
【2009/02/01 08:50】
| URL | 平凡助教授 #ySGTZzaA[ 編集] |
分かりにくかったかも.坂上さんのコメントの趣旨が「労働法が市場の機能を阻害している」ということだとすると,ボクの返答は「市場の機能は規制によってたしかに弱められている.しかし完全に失われるわけではない」ということ.

どの規制か明示していないこともあって,規制が生産性の低い企業を潰す方向と (起業しにくくなる効果をつうじて) 潰さずに残しておく方向のどちらにバイアスをかけるかはよく分からないと言ったわけ.

規制がどちらかにバイアスをかけることはあっても,市場の機能がなくなってしまうわけではない.(たまにある) よほどヘンな規制でない限り,生産性が高い企業より低い企業が潰れやすいという順番をひっくり返しはしない.特に不況時にはダメ企業を潰す機能については十分期待できるでしょう.

ま,あたりまえのことです.いくら労働法や会社法が市場を歪めても,損失を出している企業を潰すことをすべて止めさせられるわけありませんから.(もし潰れた企業をすべて国有化するというなら別だが.そういうのはもはや市場経済とは言わない.)

【2009/02/02 23:20】
| URL | 平凡助教授 #ySGTZzaA[ 編集] |
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