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一段落: 「現代社会についての一考察」とか

研究も一段落して,最近は文化的な生活も多少はできている.旅,読書,ビデオ鑑賞,食べ物,そして紀要論文鑑賞.

思えば 2008 年は「今年最悪のできごと」に書いたイヤなことがあった年だ.つまり

  • 捏造に巻き込まれそうになったこと,
  • 捏造の防止を主張したことにより (研究者であるはずのひとびとに) 厄介者扱いされたことだ.

ボク以外のレフェリーはたまたま捏造がなかったと知っていたのかもしれない.だとすると,疑われた方も迷惑だろう.しかし不正行為と疑われかねない行為を「試験場」でやるのは,それ自体不正行為とみなされても仕方ないってもんだ.そこのところを他のレフェリーは甘く見過ぎている.

その一方で,(イヤなことではないかもしれないが) 全学的問題で大変なことになっている経済学部の混乱を耳にするにつけ,自分はラッキーだったと思う.

ラッキーなことにボクは「平成香川大学の組織が再編成されるらしい」を書く以前から予想していた組織再編成にかかわるゴタゴタには (いまのところ) 巻き込まれていない.遠めから「経済学部の連中はバカだなあ」と眺めている.「ゴタゴタを回避するためにあらかじめ手を打ったわけであり,単なる運の問題ではない」といえばそうなんだが.

もちろん,そうやって眺めているボク自身がバカで,事情が分かっていないのかもしれない.しかし当の経済学部に所属する教員にも,「組織変更を決めた上のひとたちはバカだなあ.それにバカな対応をしようとしている同僚たちもバカだなあ.効率性や組織の専門家がこれでいいのか」などと思っているひとがいるみたいだ.言うまでもないが,バカとは言っても実験や調査結果のでっちあげに加担する,反省しない連中に比べればずっとマシだけどね.

予定されている組織再編の基本思想は,研究組織と教育組織を分離することである.たとえば企業経営プログラムと経済学プログラムとで科目や科目提供教員が重なってもいいはずだ.もっと言えば,異なるふたつのプログラムで卒業要件の単位数が異なっても問題ないはずだ.(特定プログラムを「メイジャー」あるいは「マイナー」として認めるための最低要件さえ定めれば,あとは提供科目を適当に組み合わせたパッケージを教員や学生個人またはグループに提案させればいい.そして全学のプログラム委員会で認められたパッケージが正式にプログラムとなるようにする.もちろんどういう科目を提供するかは存在するプログラムに依存する面もあるから調整は必要.あとは卒業申請時に学生が学位を受けたいプログラムの専攻名をいくつでも申請できるようにすればいい.)

特定教員が複数のプログラムに科目を提供しても問題ないはずだ.しかし現状では (とりあえず?) 各教員を細かく分割された教育プログラムのひとつだけに対応させようとしているようで,そのことが大いに混乱を招いている.今回の組織再デザインの基本思想を無視して,わざわざ混乱を生むようなやり方を採っているように見える.

さて,近況報告だ.先月末に論文を書き上げて以来やったことをいくつか列挙しよう:

  • 別府旅行.温泉 (ヌーディストに非ず),水族館,地獄.
  • 研究室引越の準備.図書館内の隠れた部屋に移る予定.
  • 「ねんきん特別便」を受け取った.確認するのが面倒で放置中.政府関係の書類はホントに苦手.
  • たまった雑誌に目を通している.経済セミナーや書斎の窓.
  • 読書.IT 業界もの,勉強法,企業の経済学,仲正昌樹ものなど.
    • ゲーム理論と UNIX についても読みたいな.
    • 研究再開までに,図書館情報学,グーグルを支える技術,アルゴリズムとデータ構造,データマイニング,財務三表あたりからいくつかは読みたい.
  • ひさしぶりに昔の愛読誌 Reason のサイトを眺めた.ちょうど 40周年なんだね.reason.tv から,気に入ったビデオをいくつか列挙する:
    • Don't Vote (Rational Ignorance Remix). オリジナルを見てないけど…….
    • GET SOME! 医療保険もの.電話代とか酒代とかパーティ代とか洋服代なんかが大変なんだって.
    • ORGAN TRANSPLANTS. 臓器移植もの.わりとシリアスでお薦め.Virginia Postrel が意外な登場の仕方をしている!
  • 12月になってテスト公開を始めた平成香川大学学術情報リポジトリを,楽しくかつ危機感を持ちつつ閲覧.14年前からリポジタリ登録をしてきた自分としては,「追いつかれた」ことに危機感を持った.
    • じつは他教員に先駆けて研究紹介動画のスライドでも載せようかと思ってた.でも,すでに紀要論文などが多数公開されてるから,先駆けにはならないことが判明.残念.
    • しかしこういう形で公開するつもりじゃなかった紀要論文を Web 公開されるのは---それはそれで味があるにしても---けっこう恥ずかしいかも.こんな紀要論文を世界に公開された元同僚はどういう気分だろうか? (「こんな」ってどんな?って? リマーク参照)
    • リポジトリに載った論文が Google Scholar で本格的に解析されるようになったら,他の論文の被引用回数もだいぶ影響を受けるだろう.個人的には被引用回数が相対的に低下するだろうなあ.
  • フロインドリーブほかのシトーレンを 2.5 キログラム分以上入手した.やっぱりおいしい.そのお菓子については,去年「ちょっとしたぜいたく」に書いた.
  • こがねでしし鍋.今月はボーナスが出たため貯金が底をつく心配もあまりないので,さっそく使った.四国の野生イノシシなのかな.捏造への怒りを込めつつ喰いつく.スープがえらく旨い.

リマーク

「こんな紀要論文」って言っても,いろんなタイプがある.元同僚のことだし,どんな論文かを具体的に示すのは勘弁して欲しい.でも,紀要というのを見たことがない読者はイメージを持ちにくいだろうから,ちょっと探してみた.

あった! 30ページに満たないのに

現代社会についての一考察 (序論)」というすばらしいタイトルを持つ紀要論文

が近隣大学にあった! べつにその論文が悪いと言っているわけじゃない.(言うまでもなく,悪いのは捏造を助長する犯罪者たちだ.恥を知れ!) 丸々2ページの注釈があったり,中途半端な個人的事情が出て来たり,引用文献に (紀要掲載の自著論文以外の) 学術誌掲載論文がなかったりしてけっこう痛快なので,(迷惑と言われるだろうけど) わざわざプロモートしているのだ.

書評を拡張する手法なんかは,「そういえばこういうのもアリだったな」と,なかなか参考になる.紀要論文を書くときのひとつのお手本と言ってもいいだろう.(ボク自身,タイトルと一文のみの本文以外がすべて注だけからなる論文をいつかは書きたいと密かに思って来たし.この著者のように理想的な社会をどう実現して行ったらいいのかをいずれ正面から絞殺死体,いや,考察したいと思ってきた.)

ただし老婆心ながら付け加えておけば,これから学者を目指す大学院生は,こういう書き方を目指さないようにしましょう.経済学のようなそれなりの分野でこういうことをやっていいのは,他にまともな論文をそれなりに書いている学者だけです.この論文から学ぶべきは,ボクが「Mystify するな」で書いた,ヘタな権威づけをしない姿勢です.この論文は,ある重要な部分にかんしてその姿勢を貫いているがゆえ,ボクとしては著者に敬意を払わざるをえません.

同論文は「本稿が,こうした激変過程に直面している人々に何らかの参考になれば幸いである」と結ばれている.今年激変過程に直面した自分にとっては,(間に合わなかったけど) 確かにいろんな意味で参考になった.同学術情報リポジトリで今年最高のアクセス数を記録するのは同論文かもしれない.


いやあ,(いつもながら) 盛りだくさんの記事だった.拍手! (二日続きの濃厚記事,いや投稿記事ですみません.)

追記 (12/14/2008)

副題を追加.「仲正昌樹」の表記誤りを訂正.

紀要論文をもうちょっと探求してみたい読者のために,紀要ならではの (?) 具体例を以下に追加:

  • 原田保の論文. さまざまな仮説や「モデル」を提示する原田.特筆に値するのはカバー範囲の広さで,ひとつの論文だけとりあげてその特徴をしめすのは無理がある.それでも発想の自由さ,力強い表現や接続語,図の多用などの特徴は分かるだろう.
  • 安井修二のシミュレーション. 250-251 ページの「分析の方法」にある,特定のプログラミング言語を選んだ個人的事情やその言語特有のクセにかんする個人的メモは,査読誌掲載論文ではなかなか見れないものだろう.しかしそういう記録を残しておくことは著者本人にとって大切なことだ.また,安井はプログラムも公開している.査読誌では省かれることが多いが,捏造を防ぐためにも,プログラムを公開することは大切なことだろう.近年,査読論文でも電子版 Supplemental Material をふくめることができるようになっているので,プログラムを (個人的メモも?) 査読ジャーナルのサイト上に公開することも可能になっている.紀要の優位性の一部が崩れて来ている.
【2008/12/13 18:34 】
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