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「夏休みだ.激しく研究をしなければならない」と決意を表明して以来トップ・プライオリティで取り組んで来た論文が,やっと先月末に公開できるところまでいった.イントロダクション以外は8月末にはほぼ完成したのだが,その後細かいチェックを繰り返したり,証明の審美性を高めるのに時間がかかったりして,リリースが遅れてしまった.(追記参照.) 神経をだいぶすり減らしたので,12月はじめに夏期休暇を取り,露天風呂で温泉に浸かったりした.(実際に「夏期休暇」と認められたかどうかは知らないが,夏に研究に専念して休暇を取れなかった気がするので,実質的には夏期休暇だ.) いや,べつにヌーディストの趣味はない.人といっしょに浸かるよりは,ひとりで静かに湯につかって次の論文の構想を練るのが好きなわけだ (だだし「論文の構想を練る」というのは今回は該当しない).(じっさいのところは,温泉の成分のせいか身体がかゆくなってあまりゆっくりした気分でもなかったけど.) 子供のころ行ったことのある,別府の水族館とか地獄を再訪問したりもした.立命館アジア太平洋大学行きのバスに途中まで乗って,国際的な雰囲気を味わったりもした. さて,なにを書くんだったっけ? そう,今年最悪のできごとだ.仕事が一段落したのに加えて年末ということで,今年のニュースを振り返る気分に満ちあふれているボクだ.今年は世界的に見てもいろいろと最悪なことが起こっているようで,「なんだ世界恐慌って,この程度だったの?」なんて (勘違いして?) 拍子抜けしているひとも多いにちがいない.「自分には緊急支援はないの? Where's my bailout?」と期待する輩も少なくないだろう. ボクにとって今年最悪だったのは,捏造に加担させられそうになったことである. 自分が取り組んだ研究で捏造をやりそうになったということではない.自分が審査する調査研究で,捏造の疑いを拭いきれないものがあったのだ.学者になって以来最悪のできごとと言っていいかもしれない.普段は過剰コンプライアンスに気をつけろという自分だが,これは学問のマナーにかかわる問題だ.このときばかりはコンプライアンスを激しく主張した.具体的には調査対象の明示を主張した.それが受け入れられないと判明した時点で,審査は拒否した.
「捏造なんて疑い始めたらいくらでも疑える.疑いが拭いきれないのは当たり前だ.ほかの研究者を信頼することなしには学問はなりたたない」 という学者もいるだろう.たしかにそういう面はある.しかし自分は調査対象者の個人レベルの情報を要求したわけではない.その調査がどこの組織で行われたかを示すこと,それも一般読者にではなく,レフェリーとしての自分に示すことだけを要求したのだ.喩えて言えば,個々の患者の記録を個人名とともに開示せよと言ったのではなく,実験が行われた病院名くらいはレフェリーに教えろと言っただけだ.(ほとんど喩えになってない.) 要するに「A 病院」じゃ確認しようがないため,捏造の疑いを持たれても仕方がないのだ.なぜミネソタのロチェスタにある Mayo Clinic と言えないのだろう?
次の記事では「夏期休暇」後の近況報告でもしよう.大学の組織再編にかかわるゴタゴタに (いまのところ) 巻き込まれていない現状だけでもありがたいと言えるかもしれない. 追記 (12/19/2008) 今年7月に書き始めた論文が,4ヶ月後の11月に完成したという意味ではない.最初に (投稿可能な材料をふくむ) 文章になったのが2004年10月で,当時は5ページのメモだった.4年ちょっとかけて,26ページのワーキングペーパーとして公開できたということ.2005 年の2月と8月に多少進展があったため,今年7月に再着手したときは7ページ程度 (プラス手書きメモ10ページ強) だったと思う.投稿可能な材料を見つけてから2年以内にリリースしたいと思わなくもない.でも,その間まったく他の論文を書かなかったわけではないので,まあ,こんなものだろう. |
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