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選択肢の集合 X がたとえば X={a, b, c, d, e} のようにあり,個人がたとえば 1, 2, 3 の 3人いるとしよう.それぞれの個人は選択肢にかんして「選好」を持っている.「コア」とは多数決で負けない選択肢の集まりである.
「選択肢 x が個人 i にとって極大要素ではない」とは,ほかの選択肢 y が存在して,その個人 i が y を x より好む (yPix) ということだ.そういう y が存在しないとき,x は極大要素である.一般に極大要素は多数存在するかもしれないし,存在しないかもしれない.
では問題だ.証明するか反例を作ってもらいたい.個人が 3 人で,選択肢の数は高々5個のばあいに限って考えてくれてもいい.勘のいいひとなら数分でできるだろう.こちらのビデオにある (2分55秒から) 投票のパラドックスもヒントになるかもしれない. 問題 1. コアに入る選択肢はかならずいずれかの個人にとって極大要素になっているか.つまり x がコアに属していれば,x はある個人 i の極大要素といえるか? 仮にこの問題の正解が否だとすると,コアに属しているのにだれの極大要素にもなっていないような選択肢 x が存在することになる.しかしそのことは,コアに属するほかの選択肢 y がだれかの極大要素になることを否定はしない.よって次の問題を与える. 問題 2. コアが空でないとき,コアはかならずいろんな個人の極大要素をあつめてきた集合と交わるか? つまり,コアが非空なら,コアに属すると同時にだれかの極大要素になるような選択肢はかならず存在するか? ヒント (11/19/2008 追記) 数分以内で正解を出すコツは,最初の見当を誤らないことである. 問題の雰囲気から (笑),問題 1 については No と見当をつけるひとが多いだろう.それで正しい.まちがって Yes と見当をつけてしまったバカは,軽く10 分は潰してしまうかもしれない.さらに重度なバカは,Yes であることを「証明してしまう」かもしれない.
さて,そのようなバカとボクのようなプロとのちがいは,最初の見当をつけまちがうかどうかではない.プロでも見当をつけまちがうことはある.真のちがいは,プロはまちがった証明を平気で与えることはないことにある.つまりプロはバカにはなれるけれど,重度のバカになる前にみずから気づくのだ.その気づく能力に自信を持てばこそ,わざと見当違いの証明をはじめてみて,行き詰まることにより何らかのヒントを得るというプロセスを戦略的にこなしたりする.最初の見当を誤らないことはたしかに短時間で問題を解くには重要だが,プロは急いで正解を出すことにはこだわらない.中学受験組の小学生とはちがうのだ.(←と負け惜しみを言ってみたかった.スラスラ解ける彼らが羨ましいのが本音.) そんなことよりも問題にたいする深い洞察を得ることのほうが価値がある.ある意味プロは暇人でなければならない. とはいうものの,プロであるはずの者が重度のバカになっているケースもたしかに存在する.重度のバカとは言えないまでも,明らかと思ってちゃんと考えなかったのであろう部分が実際はまちがっていることもある.論文のレフェリーで気を抜けないのは,そういうケースが存在するからだ.プロなのにヒマのない理論家が増えているのかもしれない. |
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線形順序を考えて,一番目が全員異なるもので,二番目が全員同じものとすればいいのでは?選択対象が4個以上ならば,人数に関わらず同じような反例が作れますね.
【2008/11/18 23:07】 | URL | 通りすがり #-[ 編集] | ↑分かる人にはこれで分かるかな.正解例は今年中に出題者に載せてもらいます.単にせっかく苦労して graphviz で描いた図を載せたがっているだけとも思えるが.
↑のようなもっともシンプルな例を作れる賢い人向けに,問題 1 に要件を追加しましょう. ●問題 1 で,全員の極大要素を集めた集合 (各人の極大要素集合のユニオン) がコアの部分集合にならないようにできるか? ![]() |
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