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フィクサーとのコネクションのメリット
ところで,大学教授が政財界のフィクサーと呼ばれる人たちと関係を持つメリットはあるのだろうか.

たとえば研究費の獲得はどうか.国の関係機関による科学研究費は研究実績や能力とはあまり関係なく配分されている印象を持つが,だからといって政財界のフィクサーがどうにかできる類いのものではなかろう.もちろん,審査委員である (男性) 大学教授の女性関係などを調べて脅してもらうという手はあるだろう.しかし,その情報収集にかかるコストを越える支払いを大学教員から受けるのは難しそうだ.政財界のフィクサーはこんな商売にならないものには手を出さないだろう.こういう問題はやはり学界のフィクサーの役割分担だ.多くの研究者は政財界のフィクサーではなく,学界のフィクサーとの関係を求めるのである.フィクサー同士は癒着していて,内部でご褒美を回し合っていたりするから,その内部に取り込まれなければいつまでも場外観戦を脱することはできないのだ.

財団などの民間の機関による研究費はどうか.これも多くのばあい,大学教授が審査委員をするから,状況はあまり変わらないのかもしれない.ただ,民間財団には右翼系なら右翼系といった政治色をはっきり持つものもある.そういうばあいは,右翼の大物とのなんらかの繋がりがあれば多少有利にはなるかもしれない.(私は右翼財団から研究費をもらった記録はないはずなので,私の過去を調べても無駄である.) 医学系や農学系の研究者ならば,たとえば製薬会社と関係を持つと有利かもしれない.この場合,財界のフィクサーが出る幕は少しはあるかもしれない.じっさい,右翼の大御所と呼ばれた西山廣喜氏のヤクルト本社とのつきあいは有名らしい.しかし,通常疑惑をもたれるのは大学内の特定の教授とか助手くらいのもので,せいぜい医学部単位で不正があったとされるていどだ.大学でも製薬会社でもない第三者の黒幕はこんな商売には関わらないのかもしれない.

転職先の確保というのはどうか.ちがう大学への転職ならば,研究費のばあいと同様だろう.あまり関係ないのではないか.もちろん,政財界のフィクサーが大学の理事に名を連ねていることはよくある.私立大学ならば一定の影響力はあるのかもしれない.財団法人を名乗ったりしている右翼系の「研究所」などはどうか.これは大いに関係ある.近親者が「研究員」として働いていたこともあるので知っているが,「研究所」といっても名ばかりのところが少なくないので,フィクサーはじめ個人的なコネクションの影響力は強い.多くの大学教員にとってはあまり魅力のない職場かもしれないが,個人的には (関係法律が改正されるまでは) 関心の持てる転職先だった.

政治家への転職はどうか.これはすごく関係ある.しかも政治家になることに関心をもつ大学教授は少なくない.たとえば私の所属する地域マネジメント研究科は,大学関係者を県知事や国会議員にするために作られた組織と考えれば分かりやすい.立候補したいという表明はまだ聞いたことがないが,十年も経たないうちに何らかの動きがあるのではないか.まあ,「地域マネジメント」という名称を見れば,それは普通のビジネススクールではなく,地元の経済界や地方政界との癒着,いや連携を強めるために作られた組織だということは分かるだろう.地元の有力者とのコネほどではないかもしれないが,全国的な大物フィクサーとコネがあるのは強みになる.

大学学部や大学院の設置はどうか.これは学長あるいは一部の教員が作ろうと思ってすぐできるものではない.文部科学省がうるさいからだ.審査の主要な部分はどこかの大学教授が担当するらしいが,その前後に科学省のお役人がいろいろうるさいことを言って来るらしいのだ.普通の神経の持ち主なら「もういい」と言って投げ出すだろう.だれかに頼んで役人に圧力をかけてもらわなければやれたものではない.科学省内部の重要人物や出身者はもちろん,地元出身の政治家,そして政財界のフィクサーもばあいによっては頼りになるかもしれない.たとえば地域マネジメント研究科の設置を申請するときも,(じっさいやらなかったかどうかは私は知らないが) そういうことをやってもよかったのではないか.だが,この種の「ロビーイング」を癒着とみなして拒絶反応を起こす大学教員は少なくない.気持ちは理解出来なくもないが,それは潔癖すぎるんじゃないだろうか.

以上いくつか見て来たが,暴力が絡むものは避ける形で書いて来た.だが,言論にたいして暴力で反撃して来る人々は存在する.大学教員が自由に発言出来るためには抑止力を持つことも必要悪なのかもしれない.抑止力の再構築に取り組まなければ…….
続き.フィクサー側にとってのメリットはどうだろう.たとえば西山廣喜氏のばあい,日本政治文化研究所への高額な会費あるいは献金を企業から集めるために,信頼を得ることが決定的に重要だったようだ.日比谷の富国生命ビルに事務所を構えたこととか,トップクラスの政治家や大学教授や弁護士に理事になってもらったことは,信頼を獲得するためのシグナリング戦略ととらえることが出来る.どうやら東大名誉教授ならばともかく,地方大学の平凡な教員では相手にもされないようだ.ほかの政財界の「フィクサー」なら事情はちがうかもしれないが,そんな者は存在しない.西山氏が「最後のフィクサー」だったからだ.よって上に書いた教員側のメリットはまったく非現実な仮想的なものであり,私や私の勤務する大学との関係を疑っても無駄だろう.
【2005/05/01 17:36 】
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