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平成香川大学の組織が再編成されるらしい

最近極秘に入手した資料によると,わが大学は組織を再編成しようとしているらしい.(同僚へ: ここに書いたのは例の「平成香川大学の新たな教育研究体制」という表向きの文書とは異なる極秘資料による情報である.新学部名や組織構成など,その文書にある情報と一致しない部分もあるが,こちらの情報のほうが正確である.例の文書は現時点での教員の反対を潰すためだけに準備された宣伝文書にすぎないので,まったく参考にしていない.ちなみに自分は推進派である大学側そして反対派教員の双方から極秘の指令を受けてディスインフォメーション活動をしている.いずれの立場にも偏向しない信頼できるソースとして,同僚にこの記事の所在を教えるべし.) ポイントは教員組織と教育組織を分離し,個々の教員をそれぞれに参加させることだ.

教員組織には三種類あり,各教員はいずれかひとつに所属する.

  • 研究院.理学工学研究院や社会科学研究院など.
  • 機構.知識と図書サービス機構など.
  • センター.危機教員管理センターなど.

研究院に所属するばあい,どの研究院になるかはその教員の研究上の専門分野にもとづく.たとえば社会選択理論家なら社会科学研究院でも理学工学研究院でも人文科学研究院でも可能性はありそうだ.雑多な専門分野の研究者を抱える現教育学部は分断されそうなものだが,いや待て「学校教育学研究院」というのもあるじゃないか.ひとつの研究院を構成できるほど多くの教育学の専門家がいるんだろうか? 社会科学研究院なんかは経済学や政治学ほか社会科学ではない (と J. マーク・ラムザイヤーも言う) 法学もふくむほど多様性があるのだが,そのことと比較しても不自然だ.(社会科学者と法学者を混ぜるとそこそこの大世帯になるが,研究院内の意見対立で学内政治力はたいして持てないだろう.「内部の意見対立でまともな意思決定もできない研究院になるだろうから,オレはそんなところさっさと辞めたいよ」と嘆く同僚もいる.個人的には研究への相乗効果も期待しなくもないので,「いいんじゃないの」と傍観する感じだ.もっとも他学部の新任女性教員を食い物にして来た好き者の言うように,「組織が異なる方が自由な交流 (例: 研究室セックス) はやりやすい」という意見もある.) 要するに「研究分野で分ける」というのは対外的な説明であって,じっさいは経済学部と法学部 (プラス地域マネジメント研究科と連合法務研究科) と物好きな教育学部の一部教員が社会科学研究院か人文科学研究院に再配置される以外は,惰性でスライドできるように現状の学部に対応する研究院が用意されている.

研究評価は所属研究院で受けることになるので,各自は自分の研究を正当に評価できそうな同僚がいそうな研究院を希望することになるだろう.そのことを考慮に入れれば,ボクのばあい社会科学研究院に所属するのが得策かもしれない.あるいは研究院以外の機構・センターに所属して独自の評価基準を自分でデザインするのも手かもしれない.ただ,機構・センターはそれぞれ独特の機能をもつことになるので,その機能が自分のポリシーに合わないと仕事が苦痛だろう.たとえば研究補助金は研究の邪魔にしかならないと考える研究者にとって,研究推進機構行きは辛いかもしれない.危機教員管理センターにでも行って,問題女性教員に馬乗りでもして根性を叩き直すのが自分には向いているかもしれない.

教育組織は新しい学部と研究科が追加された以外は現状とさほど変わらない.なお,組織を指す用語が固まっていないので,現状の「学部」「研究科」という用語を使う.

  • 学部.工学部,経済学部,法学部,複雑系人文社会学部 (アナーキーの実現を目指す新学部) など.
  • 研究科.工学研究科,経済学研究科,法学研究科,複雑系人間関係研究科 (新研究科),地域マネジメント研究科など.

特筆すべきは,それぞれの学部や研究科には定員があり,入学者選抜の基本単位となっていることだ.あまり現状と変わらないので,なんのための再編 (「改革」というらしい) か分かりにくい.国際基督教大学のように「まずは全員を一括で受け入れて,入学後に専門に分けて行く」という考えとはまったく異なる.「定員」を完全にとっぱらわないまでも,もっと自由度を持たせるものと思っていた.

一歩前進したのは,学生が主専攻と副専攻を選べることだ.これは一部の男子学生にとって朗報だろう.たとえば経済学を主専攻としつつ,産婦人科医学を副専攻にできるわけだ (未確認).ただ,専攻はかなり早い時期に申し出なければならない.学士号申請時 (通常は卒業時) に専攻を申し出るという単純明快なやり方をしない理由が分からない.(「早期に指導するため」などの理由をこじつけることはできるだろうけど,それは早期に指導を受けたい学生に対して受け入れ体制を整えれば済む話だ.専攻要件さえ明確にしておけば,計画的な学生は指導などなくても希望する卒業時期までに獲得したい主専攻や副専攻の要件を揃えられる.)

ちなみに自分が学生のころは副専攻というのは制度化されてなかったけど,大学院進学のための申請書には堂々と「経済学メイジャー,数学マイナー」と書いたものだ.実際の履修科目から自分で判断したものであり,制度化されてなかったので虚偽とは言わない.学部卒で米国一流大学大学院経済学博士課程への切符を得ることができた裏にはこのようなヤバくない工作があったわけである.(じつは「経済学がメイジャーである」という要件もないに等しかった.経済学で卒業論文を書いている学生や経済学を重点的に勉強した学生は就職活動では「経済学専攻」と申告していた.)

各教員は学部・研究科それぞれ複数担当することが可能になる.これは各教員がひとつの学部にしか参加しない現状にくらべれば前進だ.主担当と副担当があり,主担当にできるのは学部・研究科それぞれ1つまで;それ以外は副担当になる.これら以外にも各教員は全学共通教育を担当する (つまり教養科目を提供する).

  • 研究院所属教員は,学部・研究科それぞれひとつを主担当とする.ただし専門職大学院である (地域) マネジメント研究科か連合法務研究科主担当教員は学部を主担当にできない.
  • 機構・センター所属教員は,主担当を持たないことがある.副担当をもたない可能性もあるようだ.

社会科学研究院所属のゲーム理論家が工学部で教えたり,同所属の医療経済学者が医学部で教えるというのが制度化されることになる.

もともとマネジメント研究科教員は経済学部でも教えることになっていた.しかし実情では経済学部で教えている教員はほとんどいない.そのことを非難する経済学部教員もいるが,こうなったのは (われわれの態度が悪かったせいかどうかは知らないが) 経済学部側が断ったからだ.つまり経済学部側の問題である.しかしこんどの再編でマネジメント研究科教員もいずれかの研究院所属になり,学部副担当にもなれるのが明示された.本来のあり方に戻ったと言えるかもしれない.実際にどうなるかは運営次第だが,少なくとも各教員のエフォート管理はマネジメント研究科ではなく研究院の責任になっていることに注目すべきだろう.

学部や研究科の運営は主担当教員を中心にし,特にそのなかでも選ばれた者たちに権限を集中して教授会の負担を減らすという.さあ,どうなることやら.個人的には教育には熱意があるんだが,実在する学部・研究科での教育はどれも自分の理想とかけ離れている.(例を挙げれば,強制的に参加を制限した,ゼミのような少人数教育に依存して学生満足度を高めようとする試みなど.少人数は内容を高度にすれば自然に実現できるものだ.また,たとえば経済学のマスターに必要な知識は広範なので,ゼミのように教員個人の努力に安易に依存する教育には限界がある.) そういう組織に参加して,大学未満中学校なみの教育を提供するのがお客様サービスと心得ているような,ノンアカデミックな「学生能力過小評価教員」を相手に議論するのは消耗するものだ.職場のメンタルヘルス上も極めて悪環境と言わざるを得ない.いっそのこと自分は主担当をやめて,いずれの学部・研究科とも距離を置いたほうがいいかもしれない.機構・センター所属ならそれは可能だ.研究院所属では不可能とはいわないが,原則からはずれる.

ところで学内ネットワークはどうなるんだろう.たとえば学術論文アーカイブ JSTOR を購読しているのはわが大学ではマネジメント研究科のみだが,研究科所属教員の研究室は分散して経済学部教員の研究室に混じって存在しているので,「このキャンパス全体」という単位で購読権を割り当てられないのが現状だ.しかたないので購読権は各研究室の IP アドレスを登録する形で行っている.それができるのはまだいいが,データベースによっては「このキャンパス全体」という単位でしか購読権を割り当てられないかもしれない.もしそうだとしたら,法学の判例データベースなんかは無駄にコストが嵩んで導入できないかもしれない.そういう技術的理由で必要なものが導入できないことは避けてもらいたいものだ.

この再編が実施されるのは来年でも再来年でもない.そんなに時間稼ぎするのは,あまりやる気がないということではないだろうか.その頃には世界経済は崩壊して,すでに立ち直っているかもしれない.あるいは P=NP がひそかに証明されてプログラムに実装されて,われわれが知らない間に金融その他の機関で使われている暗号が破られているかもしれない.それは変態女子学生と変態助教授の愛のサイトが明るみになるくらい世界経済にとっても衝撃的なものにちがいない.平成香川大学はその危機に応えられるだろうか.

追記 (9/19/2008).

誤った憶測をされないように,情報のソースに関する記述を若干追加.教養教育や学校教育学研究院について若干補足.その他いろいろ加筆.

「各教員は学部・研究科それぞれ2つまで担当することになる.なんで2つまでに制限するのか不明だが,これは各教員がひとつの学部にしか参加しない現状にくらべれば多少の前進だ」とあったのを訂正.担当学部数・研究科数に上限はないらしい.

それにしても,この文書に拍手したひとは,いったいなにを評価してくれたんだろう?

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【2008/09/18 11:48 】
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