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Leo Hurwicz, ついにノーベル経済学賞受賞!

今年のノーベル経済科学賞はメカニズム・デザインの Leonid Hurwicz, Eric S. Maskin, Roger B. Myerson に決定した. ノーベル賞公式サイトには一般向け Info学術的バックグラウンドが載っている.(このブログでもメカニズム・デザインは頻出なので,いまさら説明はしない.)

経済学者に言わせれば,「メカニズム・デザインはまだ受賞していなかったのか?」という感じかもしれない.事実,業界人の受賞予想は,近年オークション理論や契約理論などの派生分野に移っていた (たとえば yyasuda の記事). 報道関係者も準備できていなかったのか,今回の初期報道では「レオニード・ハーヴィッチ名誉教授」「レオニード・ハーウィッツ名誉教授」「レオニド・ハーヴィッツ・ミネソタ大名誉教授」「レオニッド・ホルウィッツ教授」「レオニド・ハーウィックス名誉教授」「レオニード・ハーウィッツ名誉教授」など,受賞者名の表記の揺れも大きかった.(実際はアメリカでは「リオ」に近い発音で呼ばれている.)

(ハーヴィッツの教える大学) ミネソタ関係者は長年「そういう派生理論の前に受賞すべき基礎理論 [メカニズム・デザイン理論] があるだろう!」と,ノーベル経済学賞への不信を募らせて来た (たぶん).ミネソタで長年教えたべつの経済学者が数年前受賞したときも,「ん? [Leo を飛ばしてないか?]」という感じだった (じっさいにボクが確認できたのは少数だが).関係者はまったくちがう文脈で「ハーヴィッツの呪い」などと暗示を交えつつ,時機を待った.

いやあ,ノーベル経済科学賞,少し見直したよ.

ところで Leo は最近90歳の誕生日を盛大に祝ったばかりだ.盛大にパーティーする前に受賞してくれてたら,もっと効率的だったかも.

追記 (10/18/2007). ミネソタからリセプションの案内が届いた.本文はこう始まる:

We are so happy that Leo has finally won the Nobel Prize in Economics!

やっぱりミネソタ関係者は,(この記事のタイトル同様) 「ついに」("finally") という言葉を添えずにはいられないわけだ.

追記 (10/18/2007). メカニズムデザインの成果を,「すべてを市場まかせにしてはだめだ」ということにしてしまおうとする解説はちょっと気になる.それは成果ではなく,(特に初期のメカニズムデザイナーの) 研究のモーチベーションだ.「市場についてはすぐれた点も欠点も分かった.ではそれ以外の資源配分方法は?」という疑問にたいして,「それ以外の配分方法」をすべて同時に考えられるフレームワークを作ったのがメカニズムデザインのすごいところだ.で,その疑問にたいする答だが,それほど単純ではない.研究動機が多様なのと同様,成果のまとめかたも研究者によって差があるだろう.(おそらく大多数の研究者は,単純なまとめはやりたくないだろう.) しかしメカニズムデザインの成果の多くは,市場メカニズムが伝統的に理解されていたよりもさらにすぐれたものであることを示唆している (これについては議論の余地はないはずだ).大雑把にいえば,「市場メカニズムに欠点はあるにせよ,市場メカニズムを越える配分方法は見つからなかった」とまとめたほうがより成果を反映しているとボクは思う.リバタリアン系の雑誌 Reason に載った "What is Mechanism Design?" はそんなボクの理解に近い一般向け解説だ.「すべてを市場まかせにしてはだめだ」といったミスリーディングな解説に毒されてしまった読者への解毒剤としておすすめする.

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【2007/10/16 06:57 】
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