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ペーパーに再着手

4月以来中断していたペーパーに着手した.結果はほとんど出揃っている.予備的結果とフレームワークを (自分たちの) 関連ペーパーからコピー.いま書いているペーパに必要のない定義や結果を削除.「楽勝」といいたいところだが,この作業がけっこう神経を使う.使わない用語の定義でも関係あるものなら残しておいてもいいんじゃないかととときどき思う.でもやっぱりカットする.その一方で,定義すれば半ページくらい必要なのにリマークのなかでしか出てこない用語もあった.これは定義はやめて文献参照にしておこう.あと,このペーパーであつかう問題の意義をちゃんと説明するには,選好を導入したりしてフレームワークを記述するのに1ページくらいかかる.でも,べつのペーパーには詳しく載っていることだ.まだ迷いはあるものの,背景は背景として (定式化せずに) インフォーマルな形で説明することにした.

このペーパーの予備的結果というのは他のペーパーの主要結果ということになるが,そのなかからこちらのペーパーで使う結果だけをうまく抽出するのも神経を使う.しかももとのペーパーがまだジャーナルにアクセプトされていないことがある.そういうときは,できるだけ投稿中のペーパーへの依存を減らしておきたい.二本以上のペーパーをチェックすることをレフェリーには期待できないからだ.「投稿中ペーパーのむずかしい主要定理自体ではなく,じつは簡単に別証明できるこちらのコロラリーのみに依存している」などと説明を加えたりする.(それができないのなら,もと論文がアクセプトされるのを待つべきか.)

そんなこんなで,「予備的結果とフレームワークのセクションは一応できた.あとはイントロダクションだ!」などと多少区切りがついたときにかぎって,ジャーナルの目次アラートがどっさり届いたりする.この日は Social Choice and Welfare, Public Choice, Economic Theory, Games and Economic Behavior がいっぺんに届いた.区切りが悪いときならあと回しにもしたが,区切りがいいとジャーナルをチェックすることになる.タイトルとアブストラクトを見て,SCW 6 本,PC 3 本,ET 2 本,GEB 5 本の論文をダウンロード.計 16 本だ.大部分は将来見ることもないだろう.しかしいつ大学が電子ジャーナルの購読をやめるか分からない.また,ボクがいつ大学をクビになるかも分からない.だから将来関心をもつ可能性がありそうな論文はとりあえずダウンロードする.今後の作業はダウンロードした論文を眺めて,ばあいによってはイントロあるいはフレームワークくらいは目を通し,同じフォルダのソーターにドラッグして著者名のアルファベットごとのフォルダに移動することだ (ダウンロードして保存するときのファイル名を dietrich-l07scw29.pdf のように著者名ではじめているので,移動・分類は自動でできる).ばあいによってはファイルのエイリアスを ranking とか rights and liberty とか organization といったトピックごとのフォルダに投げ込む.その作業はいま書いているペーパーの Introduction を書く前になるかどうかは知らない.

リマーク.まさに関心のど真ん中のペーパーを見つけることもたまにはある.「こうこうこういう感じでフレームワークを設定すればやれそうだ.いま途中までやっていることの片がついた暁には着手しよう」とか思っていた研究にひじょうにちかいものを先日イスラエルのコンピュータ・サイエンティストのサイトでみつけた.Web ページのランキングにかんする新しい社会選択問題だ.(こちらの記事で紹介した話題に近い.) 選択肢集合と個人集合を関連づけたり選択肢集合に構造を入れるのは最近の傾向か? (新しいといっても,社会選択としてはあまり人気のない古典的分野に近い話だから,やるひとも限られると思っていたが) ううむ先を越された.複雑な気持ちだ.もっともテクニック自体は情報科学っぽいのが混じってるから,ボクにできたかどうかは分からないけど.

合間に JME からついにきた正式アクセプタンスメールを共著者に回送したり.(だけど少々味気ない.メールがエディタの個人名じゃなくて Editorial Office とあるのが原因か.あるいは実質アクセプトだった前回が Subject: Your submission before acceptance で,正式アクセプトの今回が Subject: Your Submission と後退しているためか.) ハーバード・ロースクール教授からとどいた丁寧なメールにお返事を書きながら,中学高校時代を思い出したり.(自由を求める傾向はあのころと変わっていないなあ.) こいびと「のような」存在と連絡をとったり.

しかし Introduction をどうする? 今回は「続編」なので関連研究をながながと挙げたりはしない.だが絞りに絞ると残るのはほとんど自分たちの研究ばかり (プラス関連分野の基本用語が載っているテキストとか Handbook の章ばかり) になってしまうんだが.ううむ,ボクらが切り開いた (マイナーな分野というか) トピックだから仕方ないといえば仕方ないが.それでいいんだろうか.

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【2007/05/29 06:50 】
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(特殊な) 人類との対話

5月19日土曜日は生身の人類と対話することのできた,最近では稀に見る日だった.ただし相手は普通の人類ではない.経済学者たちだ.

生身の人類らしくさぬきうどんを食べたあと,昼下がりには平成香川大学キャンパスで行われた契約理論之研究會に参加した.興味深い報告を二つ聞いた:

  • 公共財供給問題を多人数囚人のジレンマとして解釈.事前参加自由で事後には参加も脱退も不自由な強制装置を導入した多段階ゲームによりその問題を克服.(このゲームは制度自体ではなく,制度の生成過程と解釈.) そのゲームの理論的性質と実験結果の報告 (Michael Kosfeld, Akira Okada, and Arno Riedl, August 2006, Institution Formation in Public Goods Games).そういうやり方でもいいけど,たとえば「誓約 P: 誓約 P に少なくとも10名が署名したとき,私は当該公共財供給のために指定された金額 (最大限千円) を支払います.---署名」という誓約書にサイン (give a pledge) してもらえばいいんじゃないか.ちょうど10名が署名するのがちばん自然な均衡に思える.(制度の生成過程という解釈はむずかしくなるが.) いずれにせよ全員が同じ効用関数をもつ状況では,自分が参加すべきかどうかを判断するのはかえってむずかしそう.ひとりひとりが公共財にたいするちがう評価をした方が自分が参加すべきかどうかを判断しやすいんでは.
  • 「果報は寝て待て」論文 (Lyon, T. P. and E. Rasmusen, 2004, Buyer-option contracts restored: renegotiation, inefficient threats, and the holdup problem, Journal of Law, Economics, and Organization, Vol. 20, No. 1, pp. 148-169) とその拡張.Econometrica 掲載の拡張のほうはまったく魅力的に聞こえない報告だった.面白い部分をわざと省いたわけでもなかろうが.「果報は寝て待て」とはボクが勝手につけたラベル.不正確かも.ある特注製品を一万円で取引する約束をかわした.売り手は注文どおりきちんと製造した.ところが買い手が「高すぎるから」といって再交渉を要求して来た.特注品であるためほかに売り手がつくような代物ではない.売り手は買い手の要求をのまざるをえなくなる……なんてシナリオを考えると,「そんならはじめから取引しないことにしよう!」と売り手は思ってしまうかもしれない (ホールドアップ問題).上記論文は,その特注品の価値がある「期限」において突然なくなると仮定.(あるいは価値が急激に下がると考えてもいいだろう.) そうすると売り手は取引をしてもだいじょうぶになる.しかも再交渉に応じる必要もない.なぜなら買い手は損をしない価格であれば「期限」が来る前に買うことになるので.一万円はもともと損をする価格ではないから,買い手は受け入れる.値切られるだけの再交渉にわざわざ売り手が参加する意味はない (一方で買い手は値切るためにのみ交渉をする).「果報は寝て待て」である.やけに分かりやすい話だ.(再交渉がなりたつとしつこく主張するひとが聴衆のなかにいたので,ボクがなにか誤解してるのかも.)

研究会のあとは,飲み屋で夕食会することになった.いや,すでにそう計画されていたらしい.「うちの大学の者がみなさんを店までご案内します」と,今回の研究会の受け入れ先であるわが大学経済学ワークショップの世話人が勝手に宣言した.さてボクは「うちの大学の者」として行動すべきか否か.(経済学ワークショップというのは「経済学部の」ワークショップであり,所属がちがうボクはノンメンバーなのだ.ワークショップの開催案内もふだんは受け取っていない.) 参加者たちは経済学部本館の一階にあつまって来たが,ボク以外のわが大学の人間は待てど暮らせど来なかった.しょうがない.(経済学者としてのパーマネントジョブを求職中のわがゼミ出身者 W さんには申しわけないが) 人道的見地から,ボクは動くことにした.

リマーク.「経済学部本館」という名称はじつは消滅している.特に分かりやすい名前でもないし,経済学部以外に法学部やロースクール (そして GSM) も利用するからであろう.もちろんこの由緒正しい名称を経済学部は保存したかったと聞いているしボク個人も保存してもらいたかった.しかし経済学部というのは,いろいろと GSM 叩きの多い (特に施設にたいする既得権益の主張が強すぎる) 不良学部であるから,比較的理解のあるはずのわが GSM 代表者も (法学部やロースクールの圧倒的反対に対抗してまで) 名称保存を主張するわけにはいかなかったのだろう.

ボク:「じゃあみなさん,とりあえずこの建物の外に出ませんか!」

なんで外に出るのか理由を聞かされたわけでもないが,経済学者たちは意外と率直に経済学部本館から出てくれた.理由は「じつはこの建物の真ん中あたりは [特に奇数階] はとてももろくて,強い地震が来れば一発で崩れるんですよ」と事後的に説明.(法廷基準の 0.2 倍ていどの強度 (?) とか.「立ち入り禁止」の看板を出さなくても学長は監督責任を問われないのだろうか?) ほどなく世話人が来たので,あとはタクシー代をけちって徒歩で団体で繁華街の飲み屋に向かった.

じつは京都のゲーム理論之研究會メンバーも来ていた (部屋の後ろの方でうどん店の下調べに余念がなかった ) らしいが,大学を出発する直前まで気づかなかった.ボクが気づいたのは K さんがボクにさよならを言いにきたときだ.大学のボクの個人サイトへのリンクを更新してきたそうだ.(が,いま調べたら更新されてないじゃん.) 彼らの多くが契約理論之研究會の飲み会に合流しないのは残念だ.

路上 (途上か?),1999年の3月か2月に伊藤秀史の集中講義で大阪で出会ったことのある,《舞いちゃん》(仮名) と名乗る女性が話しかけて来た.本日の研究会の最初の発表者だったゲーム理論家 A は,「香川に行くと平凡助教授に会えるから」と言ってすすんで発表者になることを申し出たなどと教えてくれた.冗談にせよ光栄なことだ.だけどその割には (以前京都にいた) A さんは,京都グループに合流したのか帰ってしまったか知らないが,ボクらの行った店には合流しなかった.なんだなんだ! いずれにせよ「こんな発言をするなんて,ボクに好意があるのかも!」 (←A さんのことでなくて,舞いちゃんのことね) などとスケベな考えが湧いてきて浮き浮きした.(舞いちゃんの現在の勤務先より若干条件がいい大学にこちらが勤めていることを考慮すると,「好意」も割り引かねばならないが.)

もともと愛想の悪いボクは,お店では自分から「先生方」に挨拶することもなく,独りぼそっと座っていた.長期的な鬱状態にあるせいか,単に生まれつきひとに話しかけるのが苦手なせい (リマーク参照) か知らないが,どうも自分から挨拶できる心理状態ではなかったのだ.(ということで挨拶できなかったみなさん,ごめんなさい.) ボクよりさらに知人が少なくて,知っている「先生方」といえば (「雲の上」とは言わないまでも) だいぶ年齢が上の有名人ばかりになってしまう繊細な若手同僚は,ストレスで胃に穴があいたかもしれない.

リマーク.「自閉症スペクトラム指数」(こちらのプログラムで自己診断できる) で 42 点の高得点をマークした自分だ.(成人アスペルガー症候群・高機能自閉症者群の被験者グループの平均が37.9点だったそうだ.33点がカットオフ・ポイントで,その点数以上をとったのは,同グループの9割近く,健常者の 3 パーセントのみだったそうだ.) やはりアスペルガーに近い傾向があるんだろうか.おもしろいのは,テストをやってる最中は「こんな質問だったら,自分は平均的な点数になるだろうな」と思いつつやっていたこと.

独りぼそっと座っていると,板前風というか職人風のひとがやって来て隣に座った.「まずいなあ.名前も顔も覚えてないわ.どこかで会ったんだろうけど.」ありがたいことに職人は自ら名乗ってくれて,初対面の norm さん (たぶん昔の名前; ネット上で斬られたことはあった) であることが判明した.いやあなんというか,無駄口を叩くような軽いひとではなくて,自分の拘りを着々と押しすすめて,みなが知らない間にすごいことを達成しているような雰囲気の職人気質のひとで,好感が持てた.

少し遅れて店に入ったグループで,ボクらのテーブルにやって来たのはコーポレート・ガバナンス研究で日本を代表する大物研究者 CG だった.「A さんが来るかもしれないので……」と見方によっては失礼なボク (「……」は「ぜひご一緒してくださいませ」と解釈してほしい).元同僚でもある A さんが来ないと分かって,CG さんはボクの斜め前に座った.そういえば初対面 (?) なのに自己紹介もしていなかった.有名人同士だからすでに互いに知っていたのでまあいいか.(とりあえずボクのことは大部分の参加者が知っている模様.きっとすばらしい研究が知れ渡っているのだろう (笑).ネット上での活動も多少は知られているらしいが,あくまでも副次的なもの (笑) にちがいない.)

以上二人と留学予定の大学院生 M さんを加えた四人で平成香川大学の話をしているときだった.ボクが

「そういえば少子化とか高齢化とかを overlapping generations model を使って研究してるOGMさん (女性) がうちにいますよ.世代重複モデルって聞いたことありますよね? セックスなしでどんどん子供が生まれるやつです.あ~,でも,《少子化》とかやってるからには OGM さんは sexes も入れてるのかも」

と発言.すると「セックスを入れてマッチングを入れたら均衡が云々」と,ノリノリの CG さん.平凡助教授のつまらん発言を見事にフォローしてくれたのは,さすが高名な研究者だ.

CG が席を外したあとは,さっきの舞いちゃんがやって来た.無意識的ながらボクがじ~っと送っていた視線に耐えかねたのであろう.(意識的ではないのです.アスペルガー傾向の特徴なので許してね.) ボクと norm さんのブログがどうのといった話をして移動していった.

しばらくすると東の代表的研究者で契約理論家の CT が目の前に座った.眼鏡がなかなおしゃれじゃないか.黙っていると緊張するので,「CT さんは人事経済学やりますよね? 専門家の意見を聞きたいんだけど」とボクから (ほかのひとにもたずねた問題を) 切り出した.平成香川大学の教員評価のことだ.概略をいい加減に話すと,専門家たちは「国立としてははじめて聞くめずらしい制度」と先進性を評価 (?) しつつ,かなり問題がありそうな制度 (バカな制度) であるとの意見だった.CT に至っては「ボクに外部評価させてくれたら,バカな制度だからやめろと言ってあげますよ」との力強いお言葉もあった.

リマーク.問題の教員評価制度というのは,「研究」「教育」「社会貢献」「管理運営」の4つのカテゴリそれぞれで教員を A, B, C に評価し,その教員個人の総合評価を重みづけ平均で決定する方法である.重み付け自体は所属学部の認める範囲内で各教員が年度はじめに申告し,年度終わりにそれにもとづいて総合評価を決める.たとえば教育カテゴリだと「今年度の目標」を年度はじめに申告しておき,その達成度を年度終わりにチェックしたりする.ボクの認識ではこれは多人数囚人のジレンマに近い.全員が提出しても報酬が増えるわけではない.提出者不足で評価自体が将来とりやめになるか,評価への依存度が低くなるほうが教員にとっては幸せである.しかしほかの教員がどうであれ,各教員から見れば自分は評価のための資料を提出したほうが有利になる.(提出しないと自動的に C 評価を受ける.) 今日の第一報告の言葉でいえば,「評価システムの失敗の実現」がめざすべき公共財となる.自己評価を提出しないのが,協力的な戦略なのだ.報告にあった実験では特に強制装置を導入しない場合でも一定の協力が見られたそうだが,残念ながらわが教員評価では協力者 (自己評価未提出者) はほとんど見られなかった.似たような囚人のジレンマは COE (Center of Excellence) の大学間競争にも見られると CT さんが指摘.「あんなものは無視しておけばいいのに『自分のところは落とされないように』と応募するから,けっきょく文科省の支配力を強めるだけ」と.

飲み会の場所を移すことになった.移動するとき,ボクの共著者といちぶに勘違いされている K さんが,「大学の雰囲気もよさそうじゃないですか,平凡助教授さん」と.さっきの教員評価の話が耳に入ってないのかな.

二件目の店で隣に座った大学院生は,大原美術館に行く予定だと.「そこもいいけど,直島も国際的にも知名度あるし,いいんじゃ? 地中美術館にベネッセハウスに村プロジェクト (正しくは家プロジェクト)……」たまたま彼は安藤忠雄のファンであったため,予定を変えることになった.ほかのひとはどうかと声をかけると,CT も直島に行きたいと乗って来る.我ながらいい情報を提供できたと満喫した.そころがあとで考えると,フェリーの本数が少ないことや出航時刻が中途半端であることなんかをじゅうぶん伝えていなかった.その大学院生は「非常に素晴らしかったです!!」とあとでメールしてくれたが,ほかのひとは時間的に無理だったのだろうな.

「平凡助教授さん,ジョギングにいい場所はこの辺にありませんか?」と聞いてきたひとを知らなかったので,CT に尋ねたがまた忘れた.すみません.Stanford ビジネススクール出身で都内大学勤務というのは記憶にある.しかし彼はボクが無責任に薦めたサンポート高松の埠頭 (?) をジョギングできたのだろうか.走ると最高に気持ちよさそうな場所だが,そもそもジョギングをしても怒られない所ではないかもしれない.

自らヤクザを名乗る関西のひと.学会のプログラムでしょっちゅう見た記憶のある名前.

あるひとに自己紹介された瞬間,10年前の採用人事に応募してきた方の名前であることを認識できて苦笑い.応募書類はすぐ廃棄したのだが,同一大学の二人からほぼ同一の研究内容で応募があったため,記憶からは廃棄されていなかったのだ.おそらく有力候補だったのだろう.ほかのひとが聞いていたので口に出せずにいたら,応募したことがあると自ら表明してくれた.

そんな事情もあって,特に学生のみなさんのお名前はすぐ忘れると思うけど悪く思わないでもらいたい.大学院生がしがらみなく就職市場に出て行けるための配慮だ (ウソ).ただ,経営学部や商学部所属の研究者も多いこの研究会は,ビジネススクールにとって重要な人材供給源と考えてもおかしくない.だから半分くらい本気が入ってるかも.いや,「百パーセント本気だ!」と言っておこうか.その方が今後「パワー」が生じて待遇がアップし,大学の職泊施設 (たいてい安いのだ!) なんかを利用させてもらえるかもしれない.

午前一時過ぎまで,なかなか気分のいい時間を特殊な人類とすごすことができた.ちょうどその時間にジャーナルのエディタが掲載承諾のメールを人知れず送ってくれていたためかもしれない.(正確には Your submission before acceptance というタイトルの,最終稿請求メールだが.)

追記 (5/22/2007)

  • 冒頭の日付を修正.フィクションだからそのままにしておこうとも思ったのだが.
  • 「自閉症スペクトラム指数」の自己診断ができるサイトにリンクを追加.自分が 2006年1月に自己診断した結果はこんな感じで,まあまま「バランス良く」 (笑) 高得点をとっている:

    • 社会的スキル 10点
    • 注意の切り替え 7点
    • 細部への注意 7点
    • コミュニケーション 9点
    • 想像力 9点

    やや分かりにくいだろうが,各項目の点数が高いほどその領域での自閉症傾向が強いということだろう.(たとえば「社会的スキル」の点数は高いほど社会的スキルが低いだろうし,逆に「細部への注意」 の点数は高いほど細部への注意傾向は強いのだろう.) 「細部への注意」については,判別力の低い質問項目 (3つほどある) の影響でやや低くなった面がある.経済学者や数学者にやらせたら軒並み高い点数になりそうな気もする.たとえば本日みつけたあるブログ記事では……いや,こちらからのリンクはやめておこう (笑い).

【2007/05/21 15:45 】
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区切り

今週やったこと:

  • 論文の改訂・投稿終了.去年の7月に投稿したペーパーは査読者に褒めちぎられて3月に戻って来ていた.「主要定理だけでもこのジャーナルに載せるに十分である.その定理の興味深い応用まで徹底的に提供していることを考えると,掲載を支持する理由はさらに強まる.」少し損した気分.求められたマイナーな改訂を3週間くらいかけて行い,連休前に共著者に送った.

    今週,「数学基礎論」といえば今日わが国で三本指に入るという共著者からファイルの開き方を尋ねてくる電話.「ダブルクリックしてだめなら,Adobe Reader っていうアプリケーションから開いて」「それってどうするの?」といったやり取りの数時間後,共著者側から例によって「改定箇所見タ/マッタク問題ナシ/アリガトウ」のメール.その日のうちに改訂版を投稿した.

  • とてもトテモとっても気になっていたレフェリーの仕事を完了.上記のペーパーの改訂を求めるメール (accept after minor revision) の15分後に,"Given your expertise in this area, I would appreciate your comments on the above paper." と Reviewer Invitation (レフェリーのお誘い) が届いていた.ほとんど知らないトピックの,ほぼ40頁のむずかしそうな論文で,このところボクの気分が晴れない原因のひとつになっていた.今週一週間くらいはかける覚悟で臨んでみたところ,その論文が予想以上につまらないことが分かったため,結局三日でリポートを送ることができた.(論文を蹴るときは細かく証明をチェックする必要がなくなるので作業が楽になる.これでも普通のひとに比べると長いだろうけど.)

    リマーク.ひとことで言えばほかの論文の Appendix のような論文だった.比喩で述べるとこういう感じ (下の二点をうまく統一した比喩は思いつかなかった):

    • ある目的 A (たとえば大学の研究アウトプットを高める) を実現するための装置は,副作用としてほかの目的 B (たとえばダメ研究者を特定する) を実現するかもしれない.しかし目的 B を追求することは,目的 A の実現に無関係かあるいはマイナスである.それなのにさして重要とも思えない目的 B を一生懸命追求している.
    • 一歩譲って,目的 B の追求は意味あるものと認めよう.その論文は目的 B (たとえば最短時間で町同士を結ぶ) を放棄せずに既存の装置 (たとえば高松と岡山を結ぶ鉄道路線; 途中駅なし) を拡張しよう (たとえば坂出に途中駅を作る) とするとき問題が発生することを指摘する.ところがその論文が提案している拡張は (高松と坂出を結ぶ路線,坂出と岡山を結ぶ路線,という具合に) 装置の拡張の仕方が中途半端で (「ふたつの駅を結ぶのが路線である」という部分が拡張されていない.高松と岡山の途中で坂出に乗り降りできるようにすれば済む話なのに),うまく目的 B を達成しないのはあたりまえ.概念の一般化の仕方が,不自然で中間産物的だったわけだ.著者も論文の最後でそれらの中間産物を「統合」してもっと自然な一般化概念を提示していたが,その研究はべつの論文でやると書いていた.
  • 大学のメールアドレス変更にともない,雑誌・学術誌・ワーキングペーパーのアーカイブといった各種のインタネットサービスの登録内容を更新.なかには Asahi.com など,記録はあるもののなんのために登録したのか分からないものもあった.分かったこと:

    • 二年以上利用していない預金口座があった.ネットでのログインも二年以上していなかった.まだ半年くらいだと思っていた.給与や各種公共料金の明細も二年分くらい溜まっている可能性が高い.(ものによっては手遅れだけど) そろそろ記帳せねば.
    • 所有していることを忘れていたクレジットカードがあった.
    • The Quarterly Journal of Economics の目次アラートを 2006 年2月分 (vol. 121 no. 1) 以来受け取っていないことが判明.IngentaConnect が扱わなくなったということか.MIT Press からのアラートに変更しようとするがうまくいかない.RSS という方法もあるが,メールの方が処理しやすい気がする.
  • 同業者から「さいきん大学改革で精神的に落ち込んでいる.鬱状態」とのメール.ボクも似たようなものだからなあ.大学法人化への多くの大学の反応は教員の締め付けをきびしくすることだった.こんな時代だから,ちょっと自由な大学作るといい研究者が集まるだろうな.とりあえず David Allen の Getting Things Done でも試してみて効果があったら教えてと返事.自分はやってないけど,考え方としては的を得ていると思う.やるべきことを細かく書き出して優先順位をつけておくくらいなら自分もやってるけど,それだけじゃダメなのだろう.(Getting Thigs Done は仕事だけでなく遊びも書き出すそうだ.大学教員だったら「女子学生と混浴温泉に行く」なんかも書き出すのだろう.観光学科とか地域活性化を目指す GSM のばあいは,これも仕事か.) 十分余裕をもって計画しているのだが,いつも3ヶ月につき1ヶ月分くらいは予定が遅れるのはなぜだろう.
  • yyasuda のブログに林貴志『ミクロ経済学』を「人文系の読者も購入を検討するといいでしょう」とコメント.効用や社会厚生は倫理学・哲学の古典的なテーマのひとつだからだ.(経済学の修士課程で規範経済学や公理的方法をかじって他大学の博士課程に進学し,倫理学をやっているもと学生も,ボクのブログを見て林貴志『ミクロ経済学』を注文した.) ところが,その後の同ブログのコメントはやや予想外の方向に展開.著者らしき人物が「本書は「へたれ人文系中流インテリ」に向けてかかれております」と書き込んだりした.どうやら「人文系ヘタレ中流インテリ」というちょっとした流行語 (?) があるらしい.以下は稲葉振一郎の『経済学という教養』の紹介記事でみつけた:

    SAPIO:どんな読者像を対象に?
    稲葉:人文系ヘタレ中流インテリですね。ヘタレ中流とは、昔のマルクス経済学でいうプチブルジョアといった感じで、私の造語ですが、実際に大勢いると考えています。例えば、経済学をもともと勉強していない経済記者であったり、金融マンやビジネスマンだったりする。そういう人たちも、やっぱり "教養" 程度の経済学を勉強してほしい。」

    そんな言葉知らんよ~.なんで yyasuda ブログの人たちは知っているんだ? いずれにせよボクとしては人文系をバカにする意図はなかった.そこのところはよろしく.

    ところで純粋に文系的な研究者ってほとんどみないかも.もと同僚でも歴史やるひとが東大を理科から始めていたり,制度やるひとが Unix とか TeX とかおそらく (ボクが使えそうにもないエディタ) Emacs とか使いこなしてたりするし.

「区切り」をつけるために,今後やりたいこと:

  • Web サイトにリンクしてくれていたひとにアドレスが変わったことを伝えるべきだろうか.気づいたら変更してもらえるとありがたいです!
  • 4月に中断していたペーパーを完成させる.中断したのは去年投稿分の改訂とレフェリーの仕事をするためだった.
  • まったく新しく勉強したい分野がある.学者を止めるつもりかと言われるが…….
  • 研究室の引っ越しの準備をせねば.ボクの研究室のある建物の一部は崩壊寸前らしく,補修では済まないため (その部分だけ) 建て替えることになりそうだ.だからいまの場所に戻れる時期が遅れそう.どれだけ遅れるかはっきりしてもらいたいものだ.
  • 2002年頃までにコピーした論文が大量にある.電子版にしたい.しかし作業の面倒さを考えると,死ぬまで所有してあとはひとに捨ててもらったほうがいいかもしれない.たまたまデジタル化の時代に遭遇してしまった者の悩みである.学者になるのが十年遅かったら,だいぶ「身軽」になれていただろうに.
【2007/05/13 07:54 】
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気になるネットワーク

前回記事「ゴールデンウィーク雑記: パソコン編」では,階層的組織とかツリーとか家系図の作成などの話が出て来た.これらはグラフ理論でいう「グラフ」あるいはその拡張として表現できるだろう.グラフとその簡単な拡張は「ネットワーク」とよばれることもある.理由を自覚していなかったが,さいきんボクはネットワークに関心があるようだ.そこで,ボクが最近ネットワークに興味がある理由を少し列挙しておこう.列挙することに意味があるのか? それによって素晴らしい発想が出て来るのかどうかは自分では分からない.しかし読者によってはここから革新的な研究を生みだしてくれるかもしれない (笑).

  • ビジネススクールにいるからには組織デザインに興味があってもわるくないだろう.こちらに任せてくれ (頼むから引き受けないでくれ!) というのに自分から仕事を引き受け,それを放置して滞らせる上司がいたりするだろうし.で,機能別組織 (階層になったやつ) にせよ,(ちょっと厳しいが) マトリックス組織にせよ,ネットワークとして表現できる.

    先日拾い読みした高橋伸夫の「英文論文のすすめ」(『リサーチマインド経営学研究法』) でちょっと気になった記述があった.ツーボスモデルがマトリックス組織だと高橋が発言して経営学の大家に叱られたというところだ (278頁).試しに機能別組織を修正して上司が二人ずついるような図を描き,それをマトリックス組織図に変換してみた.できないことはないけど,いちばんマトリックスに近いやつはもとの組織図の点と辺がほぼひっくりかえったグラフになった.つまり (もとの図で点を個人と解釈すれば) そのやり方で導かれたマトリックスの点は個人とは解釈できない.Two-boss というのはマトリックスの点が接続する辺につけられたラベルが二人分あるという意味なんだろうけど,点が個人じゃない以上,two-boss と言っていいか? 上記のように修正した機能別組織がマトリックス組織と同一視できると言っていいか? そんな疑問を持った.

  • 以前見たジャーナルランキングのペーパーが忘れられない (読みたいリストに入ったままだ).経済理論でいうところのネットワークモデルといえば,個人を点と見て安定なネットワークを探るものをまず思いつくだろう.このペーパーはそれとはぜんぜんちがう.ジャーナル (あるいは論文だっけ) を点と見て,引用関係を分析することでジャーナルをランクする.
  • ボクのこれまでの研究は大部分が提携とそのあつまりにかんするものだった.「提携」というのは単に個人の集まりのことなんだが,その提携内部でどういうふうに個人が関係しているかは記述しない.ネットワーク (グラフ理論でいうグラフ) はそこの関係まで記述できる.つまりネットワークはより記述力の高いオブジェクトであるので,より広い現象をあつかうことができる.
  • だいぶ前から家系図を作成しようと思っているのだが,着手できていない.

    前回記事では家系図専用のソフトウエアを使わないとむずかしそうと書いた.だが,グラフ理論とか社会ネットワーク分析用ソフトウエアを使うのはどうなんだろう? たとえば Mathematica (with Combinatorica and Sociometrica) とか UCINET というのがあるらしい.ただ,グラフ理論でいう「グラフ」っていうのは点と辺からなっていて,辺というのは二点を対応させる「2項関係」から来ている.ところが親子関係というのは「父・母・子」の3項関係としてあつかうのが自然 (長男とか長女といった子供の性別や順番を問題にするならもっと複雑).父母からひとつの点を作ってその「夫婦点」と子を対応させれば2項関係にできないことはないが,点の意味が個人になったり夫婦になったりしてはあまり望ましくないだろう.(とりあえず母子関係だけを考えて,夫婦関係はべつに考えるというのは却下.その母の「夫」が複数いる状況を考えれば分かるだろう.) ただ,たかが家系図を作るのに,「社会ネットワーク分析用のソフトウエアの視覚化機能を使えるかも」というバカバカしい発想がわれながら気に入った.

    ちなみに社会学だけでなく経済理論でも最近はネットワークを考える文献が多い.(上でもちょっと言った.編集が中途半端ですまない.) 個人を点とするのはいいのだが,辺の意味が曖昧に扱われることが少なくない傾向は気になる.「辺」の意味するのが,命令系統での「主従関係」なのか,単に情報伝達経路なのか,はたまた親子関係,あるいは夫婦関係あるいは愛人関係なのか,区別しなければならないところで区別されていないのはちょっと問題だろう.というか,それらの意味を意識して区別するようになったら,研究対象もますます広がると思う.

  • そういえば来学期ネットワーク理論を教えるので勉強しなければ.最短路問題,最大流問題,最小費用流問題とか.
【2007/05/05 15:45 】
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ゴールデンウィーク雑記: パソコン編

ペーパーが一段落したこともあって,ここ数日はパソコンをいじることが多かった.さいきん更新した NeoOffice とか,Mac に付属のアイディアプロセッサ OmniGraffle と OmniOutliner とか.

  • Intel Mac では OS9 を使えなくなったため WriteNow書類を開けなくなっていた.95年まで使っていた英語ワープロだ.それらの rtf あるいは text への変換をゴールデンウイーク直前にやった.大学でやってる eLearning など,特定の高価なアプリケーションに依存することのロックイン問題について少し思うところがあった.
  • そういえば Parallels Desktop プラス Windows Vista も黄金週間前にやっとインストールし,Yahoo! 動画を30分くらい見た.また,WinTpic という描画ソフトをはじめて使って消費者選択の図を描いてみた.そんなに楽とは言えないが,これまで使っていた方法よりは楽かもしれない.結果はきれい.tex ファイルに出力するというのが驚き.
  • NeoOffice (OpenOffice.org の Mac 対応版) は Microsoft Office 2007 Word Files を読み書きできるらしい.Mac の Microsoft 製品より対応が早いみたいだ.こんご Microsoft Office を買うべき理由がまたひとつ消えた.NeoOffice は Intel Mac にネイティブ対応しているせいか (?),以前にくらべて動きが速い.これまでは描画くらいしか使わなかったが,これからは Microsoft Office のかわりに使おうと.(もっとも Office 書類はもっぱら開くばかりで,作ることはほとんどないのだが.)
  • 学生の登録科目一覧エクセルファイル (全学生,全科目分が載る) を NeoOffice の表計算モード Calc で開いてみて思いついた例題.学籍番号 1, 2, 3, 2, 3, 4, 2, 1, 3, 4, 3 といった列がある.それぞれの学籍番号がどれだけの頻度で現れるか,つまり各学生の登録科目数を出したい.「度数分布」などでちょっと調べたら FREQUENCEY といった関数あるいは「分析ツール」を使う方法なんかが出て来たが,どうも使えない.エクセルでも同様だ.「なんだ,表計算ソフトってたいしたことないな」とまた思ってしまった.やるには「自動集計」機能とか,マクロのプログラムを組むとかが必要みたいだ.[追記.「データ> 小計」で簡単にできた.]
  • OmniOutliner でリスト入力したファイルを OmniGraffle で開くとツリー (階層図) が一瞬でできる.これはなかなかすごい.テキストエディタで作っていた研究アイディアファイルも大きくなったので,ここらでアウトライナ (アウトラインプロセッサ) に移すべきか迷っている.論文の構造がツリーになることを目指すのは正しいが,項目べつの分類が複雑な雑多なアイディアをツリー状で記録するのがよいのかどうか.ちなみに,『リサーチマインド経営学研究法』にはアイディアプロセッサについては載ってない模様.
  • ツリーというのは「親」とか「子」とかの概念を使うくせに,家系図とは複雑さにおいてまったくちがう.ツリーではひとつの子の親はひとつしかない一方,家系図ではすくなくとも父と母のふたりがいるためだ.アウトライナーで家系図が描けないか調べてみたが,(テキスト入力したものを自動で家系図にすることは) 無理そうだ.家系図はデータ構造 (というの?) が根本的にちがっているため (?),家系図専用のソフト以外で対応しているものはほとんどないのかも.

そういえば最近 JET に載ったペーパーに,Radner [The organization of decentralized information processing, Econometrica 61(5) (1993) 1109-1146] にもとづいたものがあった.それも階層構造をもつ組織 (というか,情報処理スステム) を考えている.n 個のモノ (求職者たちとか) があって,P 人のひと (企業の採用者たちとか) がいて,いちばんいいモノを選びたい.モノの望ましさにかんする順序付けはみな同じとする.一対のモノとモノを比較する操作を(同時進行をゆるしつつ) n-1 回積み上げて一番望ましいモノを選びたい.組織はひとの階層構造になっていて,各人はそれぞれのモノの中身を知るのに一単位の時間がかかるが,比較自体と結果の報告は時間ゼロでできる.各人は比較の結果を上司に報告する.どういう階層構造にすれば最短時間で処理できるか? 要するにできるだけ並行処理をすすめるような階層構造を選べばいいわけで,答の例はリンク先論文 Figure 2 (page 143) にある.組織の経済学にでてくるゲーム理論・契約理論のモデルにくらべて (たぶん情報科学のモデルにくらべても?),組織の理論としてはひじょうに単純だ.ううむ,将来やるかもしれない研究リストに入れておこう.

追記 (5/5/2007).

大学で Microsoft Office を使うべきか OpenOffice (NeoOffice) を使うべきかという問題は今後重要になるかも.事務関係の書類は罫線が縦横に走った役所風の醜い書式が多いので,完全な互換性は期待しないほうがいいかもしれない.ほかにマクロ (Excel VBA) の問題もある.そういうこと以前に,そういう罫線だらけの醜い書式を強いる連中をぶん殴って処刑するのがなによりも重要だろう.(書式の醜さが堪え難いというのも,ボクが科学研究費を申請しない理由のひとつだ.)

表計算ソフトの「自動集計 (小計)」を利用したことを本文中に追加.簡単だったわけだ.

【2007/05/03 21:53 】
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ゴールデンウィーク雑記: 読書編

若干の修正を要求されているペーパーの修正を済ませ,共著者に送ったのが4月25日.『リサーチマインド経営学研究法』にある高橋伸夫の「英文論文のすすめ」で対応が正しかったこと再確認.さて,レフェリーされるほうだけでなくて,する方の仕事は5月8日がいちおうの締め切り.数学者が書いた40ページもある論文で,30個くらいある参考文献で聞いたことがあるのがひとつくらいしかない! まだ着手してない.アイグ! 無理イェヨ!

高橋のその章には「少なくとも30代前半まで,私にとってジャーナルとは読むものではなく投稿するものであった.他人が何を研究しているのかなんて,ほとんど興味がなかった」ともある.(二流大学出身で一流大学の研究者になるひとには多いパタンか?) 含蓄のある言葉だ.自分は最近ジャーナルを読み過ぎている,いや,ジャーナル論文を読むのに時間を割き過ぎている気がして仕方ない.4月17日以降だけでも,JME,JET,Econometrica,ET,MSS,GEB その他8種類の目次が届いて,その処理がたいへんだった.JET Vol 134 なんて 600 ページ近くあるし! ダウンロードしたペーパーをいちいち挙げてはきりがないのでやめておく.ほかの研究者はどうしてるんだろう.

と思ったら研究科長名で事務からメールが届いた.来年対策をするかどうか今のところなんとも言えないが,とりあえず今年は C 評価だな.ちなみに書類を提出したばあい簡単には C 評価はとれない:

4/19日付メールで依頼の教員活動評価について,
提出期限が5/1(火)17時となっておりましたが,
まだ提出いただいておりません。
 全学で定めた「教育,研究,社会貢献及び運営の評価領域にわたる
教員の活動評価実施要領」第6(6)により,
「提出しない教員の総合評価の判定はCとする。」となっております。
 つきましては,本日(2日)17時までに提出いただけない場合,
上記各項の適用となりますので,至急提出願います。

『経済セミナー』4月号

  • 大竹文雄とは思想が合わないはずだが,文章を読んで頭に来ることはない.人格者なんだろうか,注意深いだけだろうか? 自分と思想がそんなにはちがっていない錯覚さえもつ.そういえば大竹の『経済学的思考のセンス』では,プロローグで小学生の 「お金がない人を助けるには,どうしたらいいのですか?」 という質問にいきなり「政府」が出て来てがっかりしたことがあった.でもその後の章は悪くなかった.
  • 同じ中公新書で文句なしによかった『戦略的思考の技術』の梶井厚志も人間関係について書いている.経済学者としてはオーソドックスな考えだけど,その次の森永卓郎の記事と180度ちがってないか.
  • 森永卓郎は大竹を見習った方がいい.単に個人的意見表明あるいはジョークを書くつもりならもちろんべつだけど.このひとの行った中学に「武器を持って戦え」と教える教師はいなかったのか? 「市場原理主義者」は他人への愛を感じることがないそうだ.どうやらこれが自問する「市場原理主義のハト派も,社会民主主義のタカ派も,ほとんどいません.それはなぜでしょうか」への答らしい.合理性よりも愛を最優先することを明記した新しい経済学の教科書を使えという.ボクが授業で使ってる Young の Equity (公平) とかではないんだろうな.
  • 永谷敬三がいじめについて書いている.後半は例の教育論.こういうまともな教育者は残念ながら日本の大学では生きていけない.
  • 芹沢成弘が「初学者向け」にしてはレベルが高そうなゲーム理論の連載をはじめた.ゲーム理論の本はもうじゅうぶん市場に出回ってるんだが.協力ゲームについていずれ書くんだろうな.
  • 今年は経済学初学者向けの増刊?別冊?なかったな.3月号がなくなった理由は増刊出すからだじゃなかったの?
  • 編集部の M (麻緒?) さんかわいい! 一年たつんだっけ.毎回読んでるよ~.写真を載せるべし.

Fernando Vega-Redondo, Economics and the Theory of Games はどうなんだろな.進化ゲームのあつかいは充実しているみたいだが,合理的でないプレーヤーなんて興味ないよ~.(と思うのは森永卓郎のいう「市場原理主義者」になるだろうか?) 契約理論の例がないのもちょっと残念.

預言者・成瀬智峯の本『お大師様に聞く魂のメッセージ』を四月にもらった.なんとお話を収録した DVD がついている.智峯先生は80という歳の割には若いなあ.大学生のころ「宣教師のような仕事に向いている.大学教授なんか向いている」と言われたことがあったなあ.

【2007/05/03 21:34 】
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