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オペレーションズ・リサーチ講義資料

そろそろ来年度の授業内容を考えなくては.準備が早いって?

いや,単にほかの仕事に気乗りがしないというだけのこと.ホントは一週間後にある後期前半科目の試験問題を作らねばならない.準備が遅れると紅葉を見に行く暇もなくなるし.

ここ十日くらい何度か試しているのだが,Economic Theory という Springer ジャーナルの Volume 30 の全文ダウンロードができない.Volume 30 は 2007 年度発行分である.もしかするとわが大学はそのジャーナルの 2007 年度分を購読していないのか.ほかのジャーナルはだいじょうぶか.ET だけでなく,同出版社の SCW とか IJGT とか REDesign とか PubChoi とかはだいじょうぶだろうか.研究か教育かそれともそれらとは無関係な要素かは知らないが,なにかのパフォーマンスに合わせて予算カットしたということか.困るなあ.年によって入手できたりできなかったりでは,「来年こそは入手できるようになるかもしれない」と考えて,たいせつな論文の入手を先延ばしにしてしまうのは目に見えている.(なんせ論文一本あたりの値段がとても高いし,他機関からのインターライブラリーローンでは,電子形式で入手できることはまずないだろうから.)「ジャーナルが年によって入手できたりできなかったりというぶつ切り状態では格好がつかない」といった次元の話ではない.研究の前提となるこういう基盤的なリソースが不安定では,とても研究をたいせつにしている大学とはいいがたい.外部予算が獲得できたとかできなかったで左右されるべき用途はほかにあるはずだ.[追記.その後ダウンロードできるようになった.問題は将来どうなるかということ.]

まあ,そんなこともあって,気分が晴れないこのごろだ.そんなわけで,試験問題作成は先送り.

来年度は OR (オペレーションズ・リサーチ) をはじめて教えることになるはずだ.わがビジネススクール (GSM, マネジメント研究科) では不人気科目だ.再来年度以降,教えるチャンスがあるかどうかも分からない.もちろん自分は OR のシステマティックな教育を受けたことはない.その手の授業を受けたことはないし,その分野のテキストを最初から最後まで通読したことも多分ない.でも,まあ,いいだろう.数理計画法,経営科学,経営工学などいろいろな名前で呼ばれているその科目のテキストといえそうな本を10冊近くは所持している.(ゲーム理論やミクロ経済学分野の所持テキストに比べればたいした冊数ではないけど.) また,(さいきん止めたけど) かなり長いあいだ目次アラートを購読して European Journal of Operational Research や Mathematical Methods of Operations Research はチェックしてたし,今後しばらくは Mathematics of Operations Research を同様にチェックする予定だ.さらに付け加えれば,自分の論文を OR のジャーナルに投稿して載ったとしても,奇跡が起きたとは思わない.つまり OR に一定の関心がないわけではないのだ (ひじょうに実務的な部分は遠慮したいけど).ボクのような経済理論家が教えたというだけで「無資格」とか「不正」として科学省に指導されることはないであろう.(もしそれをやられたら,数学ジャーナル名を 3 つも挙げられないような非数学教員が「線形代数」や「微分積分」の授業をやっている実態を指摘するつもりだ.)

ちなみにボクの専門の社会選択ではじめてシステマティックな科目を受講したのも,じつはその分野で論文を発表するようになった時期よりだいぶあとの話であり,カリフォルニアに在外研究で行っていたときのことだった.それ以前は社会選択の本を通読したことさえない……と断言しようと思ったら,おおっ! そうだ,思い出した! 大学院生時代,Suzumura (1983) の Rational choice, collective decisions, and social welfare というカッコいいタイトルの本を図書館で見つけて読んだことがあった.そのころは面白そうな本を見つけたら,読むのは先延ばしにしてとりあえず購入することにしていた.ところがこのときはちがった.購入するよりも前に,ぜんぶ読んでしまったのだ! (ただし証明はすべてとばした.「証明とばしたら意味ないじゃん」と言われそうだが,その当時は社会選択を勉強するのが目的ではなく,社会選択が研究に価するかどうかを判断するのが目的だったので,証明を読む必要はなかった.)「どうせ社会選択なんて古い話は自分は将来やらないだろう」と思って購入を渋ったためか,それとも面白くて読むのを中断するタイミングを見つけられなかったためかは忘れた.

将来 OR を教えることがあるかどうかは分からない.来年度担当する OR に過剰な努力を投資しないように気をつけたい.講義ノートの準備なんかはできるだけ手短に済ませたい.そんなことを思いつつ Google で「オペレーションズ リサーチ シラバス」を検索したらいいものがひっかかった.「オペレーションズ・リサーチ(OR)・経営工学のポータルサイト」のなかの,「関連講義資料」というやつだ.ここには講義用のスライドなんかへのリンクがある.しばらく検討して,久保幹雄と根本俊男のサイトに注目することに決めた.シラバスの提出まではまだだいぶ時間がある.次回講義内容を考えるときは,それらのサイトを重点的に見て行くこととしよう.

ところで,来年度の授業とは関係ないが,武藤滋夫の『ゲーム理論入門』で使える教材を上記のポータルサイトで見つけた.東工大 Open Course Ware のゲーム理論ページだ.[追記.「協力ゲーム理論と規範」のページも参照.] PowerPoint ふうの「講義ノート」が揃っている.講義に使うかどうかはべつとして,こういう資源があるというのは貴重な情報だ.自分は過去何度かこのテキストでゲーム理論を教えたことがあった.こういう教材を作ろうと思わないこともなかった.今回これを見て,「あのとき作らなくて正解だった」と思った.

東工大 OCW にはユーザーアンケートがあるので,ボクは (記名欄もないのに) わざわざ記名したうえでアンケートに答えた.みなさんも答えて,ゲーム理論ページの外部からのアンケート返答数をトップにしようじゃないか! といってもランキング情報が出るわけじゃないけどね.[追記.アクセスランキングは出る. 10~15 位くらいだった「ゲーム理論」のランキングがここ1週間で 2, 3 位に上がったようだ.今見たら,上位10位中4科目が武藤の科目だった.]

じつは「次回ゲーム理論を教えるチャンスが回って来たら,渡辺隆裕の『図解雑学 ゲーム理論』でも使おうかな.図も豊富だし」なんて思っていたが,今回武藤テキスト用にこういう素晴らしい講義ノートが入手できることを知って,図解雑学の優先度がやや下がってしまった.渡辺さんにはカウンターアタックというか,対抗措置を期待したい. [追記.おっと失礼! 最後の一文は余計だった.NABENAVI.net にあるこちらの講義資料 (ビジネススクール向けなど,オーディアンスごとにいくつかのバージョンあり) がそのカウンターアタックということになる.いや,「カウンター」の修飾語は武藤教材のほうにつけるべきか.]

追記 (11/26/06). 文中にいくつか補足した.

追記 (12/2/06). 渡辺隆裕の講義資料へリンク追加.

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【2006/11/20 00:48 】
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