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ジャーナルのランキング,Google,そして相撲とか: 公理的分析のペーパー見つけた

きょうはマイケル・ジャクソンが無罪になった (注) 記念に不完備情報での Condorcet Jury Theorem (コンドルセの陪審定理) について書こうかと思っていたが,まったくべつのペーパーを偶然見つけたのでそちらを紹介する.内容としては「サーチエンジンの戦略的操作マル秘裏技と社会選択理論」の続きになる.

注「子供に対する性的虐待罪などに問われた米人気歌手,マイケル・ジャクソン被告(46)に対する裁判で,米カリフォルニア州サンタバーバラ郡地裁陪審は13日,10の罪状すべてで無罪評決を下した」(産經新聞).

問題のペーパーは,International Journal of Game Theory の最新号にあったペーパーを眺めていて見つけたものだ:
Ignacio Palacios-Huerta, Oscar Volij. The Measurement of Intellectual Influence. Econometrica Vol. 72 Issue 3 Page 963 May 2004.
経済学のトップジャーナルに載っていたのに,ボクはこのペーパーをいままで見落としていたようだ.タイトルだけだと自分の専門の社会選択や公理的方法に関係あるとは思えないからね.だいたい measurement (測定・計量) なんて単語があると統計学かと思ってパスしてしまうじゃないか.

そのパーパーによれば,引用をもとにしたジャーナルのランキングは経済学でもよく行われているのに,そのありかたについてのまじめな経済分析は行なわれてこなかったという.統計学的な分析はあるのかもしれないけど,たしかにそうかも.それでと,このペーパーは望ましいランキングのあり方をいくつか公理としてきちんと提示した上で,それらの公理をすべてみたすランキング方法がひとつに絞られることをしめしている.そのランキング法は経済学分野で広く採用されているものではないという.「なんだつまらない」と思う読者のために,著者は続ける---そのランキング法は Google が web ページをランクするときの the PageRank method の核心である!と.おいおい,単に Google のランキング法がみたすような性質を集めて来て公理にしただけじゃないのか?---と突っ込んでみたくなるかもしれない.公理が自然なものかどうかはペーパーを読んで見れば分かるのだろうか.それにしても Google のランキング法の公理的分析は Google 出現以前に現れていたのかと思ったら,じっさいは 2004 年だったんだな.

一方には「おもしろそうだ.じゃあ,その望ましいランキング法でジャーナルをランクしたらどうなる?」と思う読者もいるだろう.そういうひとのために,ちゃんとジャーナルのランキングの一覧も載ってる.その望ましいランキング方法で測ると,(このペーパーが載っているジャーナルである) Econometrica はもちろんトップになる (笑).

そういえば,「相撲の優勝はどういう基準で決まるのだろうか?」と小学生か中学生のころ悩んだことがある.(いまだに理解していない.実際にどうなっているかではなく,どうやったらマシな方法ができるかが関心だったためもあって.) 力士に (横綱とか大関とかのクラスだけでなくそのクラス内でも) ランクをつけているかどうかはしらないが,もしそうならば同じクラスで勝ち星が多い相手を倒した方が勝ち星の少ない相手を倒すよりは自分のランクが上がるようになっているのだろうか,などと考えたものだ.それぞれの力士 j の (最終日である千秋楽における) 勝ち数 w(j) をまず計算する.そのうえで力士 i の得点は,i が勝ったすべての力士 j についての w(j) を合計したものとしてはどうだろう.千秋楽以前に優勝が分かっていることもあるから,そのやり方は実際には使われていないのは分かるが.いや,単に倒した相手の勝ち数だけを基準にするのは良くないな.たとえば 6勝の力士が二人いて,ひとりは勝ち星の多い相手ばかりに勝ち,もうひとりは弱い相手ばかりに勝ったとしたら,自分の得点に対するその二人の貢献が同じというわけには行かないだろう.あのころはそういったことを考えていた.小学生か中学生にして,相撲の公理的分析を先取りしていたのかも.それを考えると嗚呼平凡助教授は歳を経てだいぶ凡才 (より直接的にはバカ) になったものだ (苦笑).

『大相撲の経済学』なんて本もあるようだが,目次を見る限りこういう話は出てこない.ひょっとするとこのネタ,日本経済を主な対象にした国際ジャーナルなんかの記事にうってつけじゃないだろうか.だれかやってみてはどうだろう?

追記 (7/28/05). 臓器移植の配分アルゴリズムを改善する話や相撲の八百長を経済学的に分析した記事の解説を発見.作者はアメリカ在住の研究者ということらしい.不完備情報下のコンドルセ陪審定理の記事もそのうち載せてくれるかも.

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【2005/06/15 00:07 】
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