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最後の黒幕には 7,000万円,うちの研究科には100万円
大学教授といえばまず癒着だろう.一般人が目にする大学教授といえば,たまに何かの事件が起きたとき,何やら邪悪な笑みを浮かべつつテレビに現れては,だれでも思いつきそうな感想をもっともらしく解説する一種の売れないタレントだ.一般人とのちがいはどこか.それは,政界・財界・官界・マスコミ,はては右翼団体・暴力団・左翼過激派(環境団体・女性団体など) といった NPO あるいは NGO との人脈,より正確にはしっかりした癒着を持つことだろう.すべての大学教員がそういう癒着を持つわけではないが,ほとんどの大学にそういう教授が何人かはいるものだ.私の所属する専門職大学院である地域マネジメント研究科 (GSM) についても,入学試験はまやかしに過ぎず,地元の有力企業から派遣される者を優先的に入学させているなどと疑っている一般人は少なくないようだ.

平凡助教授はまだ若いこともあって,もちろん癒着とは無縁だ.たとえ裏社会の知り合いから,社長のお相手をする女子学生の提供を頼まれたところで,差し出せるような教え子はいない (そんなものは大学教員にではなく風俗店に頼め!).受験生の裏口入学を頼まれたところで,合格を保証できるような力はない.それでも,お世話になる方はいないわけではない.まったくお世話になっていないと言ったらウソになる方のなかに「最後の黒幕」とか「最後のフィクサー」と呼ばれる西山廣喜 (西山広喜; 西山幸輝) 氏がいた.財団法人日本政治文化研究所の元理事長で,「右翼の大御所」とも呼ばれた方だった. 「右翼トップの財団に資金」「大手100社,98年度会費7000万円」(一社あたり) という見出しの記事が朝日新聞の社会面トップを飾ったことがあったが,その研究所のことだ.ビジネススクールでもあるわが研究科が,地元企業数社から一社あたり100万円ていどの寄付をもらって大いに感謝しているのと比べれば,スケールがだいぶちがうものだ.

西山氏は今年二月に他界されたのだが,私が参席しても政界・財界・学界の大物たちに埋もれるだけだと思い,私はお葬式にも行かずじまいだった.先日,奥様から届いた香典のお礼を見ると,個人の遺志により皆様方のご厚志は財団法人聖路加国際病院消化器内科に寄付したとあった.St. Luke's International Hospital と言った方が分かりやすいかもしれないが,ちゃんとチャペルも備えたキリスト教系の病院だ.オウムの地下鉄サリン事件の患者受け入れでも有名になった大病院だ.香典をクリスチャンの病院に寄付されたからって怒る右翼は……まあ,いないだろうな.

お礼にはこの4月に文庫になったばかりの『日本の右翼』(猪野健治) が同封されていた.「西山廣喜 最後のフィクサー」という章もあったが,日比谷の富国生命ビルにどうやって日本政治文化研究所を置けるようになったかといった,三浦義一や財界人をはじめとする人脈の話が多かった.題名に反して,フィクサーとしての活躍ぶりはほとんど載っていなかった.お葬式に参列した人から送ってもらった「最後の黒幕~ 西山廣喜が語る戦後裏面史」というテレビ番組のビデオの方がマシだった.ビデオには,暴力団を黙らせるとか,西山氏に頼むと公共入札での落札率が跳ね上がるといったフィクサーぶりは出て来たが,大学との怪しい関係は一切出てこなかった.まあ,活字や映像にならないところが黒幕の黒幕たるゆえんなんだろうけど.迫力のある方だった.ご冥福を祈る.
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【2005/04/30 20:56 】
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「ストッキング脱いでもいい?」とか言われても……
……僕は気づかなかっただろうなあ.以下はとある夜間の授業光景だ.僕の研究室であった出来事である.

積んであった本のなかから『女から口説く101の恋愛会話』(中谷彰宏 著)を見つけて「ストッキング脱いでもいい?」とか読むはじめる男子学生 A.「おいおい,気が散るから休み時間にしてくれ」と僕.「先生,トイレ行っていいですか」と茶色いブローチの E.「じゃ,休憩」と僕.簡単なものだ.

休み時間,「その本を見せてください」と H が言うので見せる.「見てどうするの? だれにそんな言葉言うんだよ?」「言ってもらいたいですか?」えぇそりゃ,もう大歓迎!「H に言ってもらえたらうれしいに決まってるじゃん [ま,H に限らず若い娘なら同様なんだが].」駆け引きも戦略もなにもない,単純過ぎる返答だ.ゲーム理論をやる者としては失格かもしれない.経済セミナー4月号には「恋愛で成功するための経済学」(松井彰彦)が載っている.将来,それが古典的な必読論文になるかどうかは知らないが,まだタイトルしか読んでいないぼくはビジネススクールで教える教員としては努力不足と言われそうだ.

「なんで女から口説く本を買ってるんですか?」と言われてもたいした理由はない.教養のためなのだが,なかなか読む暇がない.ただ,せっかくの口説き文句を聞き逃してしまいそうだという危機感はある.「ストッキング脱いでもいい?」とか言われても,自分は母親が暑い夏に外出先から帰るやいなや「蒸れる」とかいってストッキング脱いでいた光景を思い浮かべられるくらいだ.なかなか誘いの言葉だとは気づかない.いや,この例だけではない.僕のこれまでの人生は,その本に書いてある多くの誘惑の言葉を聞き過ごして来た人生かもしれない.ちょっとしたところにヒントは転がっている.恋にせよ研究せよ.貴重なチャンスを逃しておきながらそのことに気づかずに,恋人のいない寂しい日々を疑問もなく過ごしてしまったところに平凡助教授の悲劇がある.

「男の方から誘う本を買わないんですか?」と H.バカにしてるのか.「ためにならないから要らないよ.」じつは持ってないわけではないのだ.本棚を見たら,『女がうなずく「口説き方」進行マニュアル』(櫻井秀勲)というのがあった.しかも Step 1, 2 を読んだ形跡はあった.最初の 127 ページだ.本嫌いの自分にしては上出来だ.その後に
-Step 3: そろそろ決めたい! 決めてもらいたい!彼女が泣いて喜ぶ「デート計画書」とか
-Step 4: やっぱり「したい」でしょ? 「Hのステップ」の上手な踏み方
以下 Step 5 まで続く.そこまで読み進められなかったのは,おそらく現実の方が早く進んでしまったため,本で知識を仕入れる意味が無くなったのであろう.進められることは一気に進めてしまうのが僕の性格だ.読むのが遅いからこういうことはしょっちゅうだ.僕の恋は時としてすごく早く展開する.論文だって,書いてしまった後で関連文献を探すことが多い.ときどきすでに知られていることを再発見したりしてしくじる.だが,それは失敗とは呼ばないことにしておこう.平凡助教授でも,恋のハウツー本を読むことよりは恋をすることの方が目的にかなうことくらいは知っている.その恋の形がたまたまその本に載っていたものとそっくりだったからって,恥じることはないのだ.
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【2005/04/29 19:18 】
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教え子の女子学生の安否を気遣う大学非常勤講師?
ちょうど私が500万円の搭乗者傷害保険を外し,替わりに 3000万円の人身傷害保険金を掛けて自動車保険の継続手続きをしていたときのことだった.JR 福知山線の快速電車が脱線してマンションの立体駐車場に突っ込んだ.搭乗者傷害保険なら契約したクルマの事故しかカバーしないが,人身傷害保険の方は他のクルマの乗車中や歩行中の自動車事故もカバーされる.4月25日に起きたこの事故の犠牲者は100人を超えた.いずれにせよ自分の保険のばあい,クルマ以外の乗り物に乗っていたときや自転車で転んでもカバーされない.26日火曜日私は21:10までの授業を延長して22時過ぎまで補講をやった.「教え子の女子学生の安否を気遣う[安置所に来ていた] 大学非常勤講師(46)は、「父親が詰めておられたが非常に沈んでおられる様子で、とても声をかけられるような感じではなかった」。」(産經新聞) いやな死に方だ.政治テロで殺されるのとどちらがいいか.多分政治テロのほうか.

その夜,「遅いから気をつけてね.事故にあうなよ.ぼくのせいだと言われるのは嫌だからなあ」と女子学生にさようならを言った.悪い奴を殺して死刑になるのとどちらがいいか.殺すとしたら,それに値する奴しか殺さないだろうからそちらの方がいいか.戦争で死ぬならどうか.国家のために死ぬのは嬉しくないが,日本のためならばこんな事故よりはマシか.意味はないこともないから.町村信孝外相も中韓両国や欧米の歴史教科書に書かれた日本関連記述を調査する方針だという.遅すぎだ.いずれにせよ新たに契約した人身傷害保険をもってしてもカバーはされない.とりあえず契約内容は変えないで,こういう死に方をさせないで欲しいと神様にお願いしておく.こういう事故があると,自分がこういう目に遭う前に悪党を殺しに行こうと,「一殺多生」のエリート教育を叩き込まれた血が騒いで困るから.もっとも,こういう死に方をしたら,それも意味があったのだろうと思ってあきらめるが.女子学生は「事故にあってやりますよ」と.そういうこと言わないでくれよ.回転ドアの安全を向上させるという使命を持って生まれて来たのではと思えるガキもいた.

それにしても,ふつうの非常勤講師が女子学生のために安置所に行くだろうか.恋人でもないかぎり行かないと思う自分は冷たいのだろうか.親戚の葬式に出るのもイヤでしょうがない自分だ.(相続とかの件で喧嘩を始めるひとが出て来るというのもあるが.もっとも,たまに出席するとけっこう楽しかったりするが.) まあ,この講師が責められる理由はないから行ったのはべつに偉くもないが.ぼくの授業の女子学生が事故死でもしたら,恋人ではないし責められるかもしれないけどこの場合は行ってしまうかもしれない.それだけ受講者の少ない授業という事情もある.授業を延長したせいで事故にあったんだと理不尽なことを父親に言われる前に,死体に向かって「もっと延長すればよかった」と言っておきたい.
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【2005/04/28 14:38 】
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本一冊注文するのに何分かかるんだ
気分がすぐれない.鼻がつまったり喉が痛かったり咳が出たり.一ヶ月近く微熱が続いている感じがする.鼻止めを飲まずに外出出来ない.風邪にしては長過ぎる.死期が迫っているのかもしれない.それとも花粉症ってやつだろうか.他にも気分がすぐれない原因がいくつかある.大学への入構不許可 (駐車場) のこと,シラバス全学統一のこと,プロジェクト研究決定をはじめとする GSM 運営のとろさのこと,物品請求システムのこと,などなど.今朝は物品請求システムのことだけ書こう.

物品請求システムとは教員が研究室の備品や消耗品を Web ブラウザで入力して注文できるコンピュータのシステム (もちろん事務も利用) だが,一年前までの NEC のやつは本当にひどかった.(NEC 社員による使用法の説明会も酷かった.利用している場面をプロジェクタで見せる以上の何ものでもなかった.教えるのがプロではないにしても,もう少しプレゼンテーションを工夫した方がいい.) 私をはじめ多くの経済学部教員が以下のような文句をつけたものだが,改善に何年もかかった.大学側の怠慢によってどれだけの貴重な時間が失われてきたことか.
(i) 毎回電話番号を聞くな.毎回個人の名前でログインしているのに.
(ii) どの部屋に購入物を設置したいかを毎回聞くな.聞くにしても,自分の研究室を選ぶ選択メニューが全学分をカバーしていて長すぎる.
(iii) 型 (template) をもとににして請求できるようにしろ.過去の請求記録などを下敷きにできるように.
(iv) 不必要に項目を細分化するな.
(v) それぞれの項目の文字数の制限を緩くしろ.特にコメント欄の文字数制限を緩和し ろ.
(vi) 個数とかの単位をあんなに長いメニューからいちいち選ばせるな.「個」あたりを デフォルトにして,選択メニュー以外に直接キーボードから「匹」とか「俵」とか 「光年」とか入力できるようにしろ.だいたい単位なんてどうでもいいものも多い.
(vii) ファジーな個数指定に対応せよ.1ダースでも10個でも気にしないといった注文に対応できるように,個数の 幅をもたせた入力ができるようにして欲しい.
(viii) 問題が起きたときの連絡先を Web 上に書け.

2004年春にシステムの契約先が富士通に替わって上記の (i), (ii), (iii) については改善された.その他についてはほとんど改善しなかった.改善は小出しにした方が自分の将来の職を確保できるとでも考えているのだろうか.だとすればシステム開発なんてのは,アイディアが乏しい連中がやってる業界なのかもしれない.ともかくわれわれは泣き寝入りだった.それでも救いは,昨年度まで図書の購入システムはべつシステムだったことだ.図書購入システムは決して満足出来るものではなかったがそこそこの反応速度を持っており大学外からも利用出来た.

ところが,悪いことにこの物品請求システムが今年度から図書の注文にも使われることになった.「事務の効率化」のためだそうである.日本語の使い方からまちがっていないか.新たに図書も扱うようになった物品請求システムを前年度までの図書購入システムに比較したときの問題点は3つある:
1. 学外から接続できない.前年度までは図書は学外から注文できたが,物品 請求システムはいまだにそれに対応していない.
2. 項目の文字数の制限がきつすぎる.一冊の本のタイトルさえ途中で入力出来なくなることがある.
3. 反応が鈍すぎる.物品請求システムは前年度よりも入力項目が多い上に, 反応が遅い.ボタンを押して9秒ていど反応がないことが多い.入力に余計な時 間を取られ,ひじょうにストレスを感じる.

このような問題には当然対応した上でシステムを移すのが本来のやり方だろう.当面はメールで注文できるようにするなどの代替策が欲しいところだ.いまのままでは精神衛生上もひじょうに悪い.買うと決めた本を1冊注文するだけでも,システムにログインして何度か画面を移動して入力して確認の画面へ移動してログアウトするという一連の手続きに 15分くらいかかったりする.冗談じゃない.これはほとんど犯罪である.同じ問題を抱えている教員・職員は,企画情報部 (物品システム担当) に苦情の電話を入れるなど,なんらかのアクションを起こすべきだろう.放置することはほとんど共犯である.さすがにスピードの方は,事務員自身がイライラしており,富士通にも頼んでいるようだが,学外接続できないことについては担当事務は問題を感じていないようだ.技術的に可能でありながら,セキュリティー上の理由とかなんとか言ってまじめに取り組まないのだ.

言い換えれば,学者の仕事における自由の大切さに対する認識が甘いのだ.学者の仕事スタイルから自由度を奪うことは極力避けなければならない.大学外から本を注文してはならないというのは仕事のスタイルを不必要に縛ることになる.もう少し学者にたいする理解を備えた大学でなければ将来性はないだろう.

追加.5月24日に物品請求システムを使って図書5冊を注文したときの入力時間は35分だった (書籍を選ぶ時間はふくまない).一冊あたり7分は改善だが,やはり遅すぎる.
【2005/04/24 03:46 】
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私は変態女子高生のトップか
どうでもいいんだけど,このブログを Google で検索すると,検索語が
「私は変態」では971件中 6 位,
「私は変態女子」では4件中 1位,
「私は変態女子高生」では3件中 (すべてこのブログ) 1位
となり,期待通り検索語が長くなるほど順位が上がる.ところが
「変態女子高生」では上位には来ないのに
「変態女子」ではなぜか1位になった.
不思議なものだ.ちなみにこれまでのところ連語として載っていなかった
「変態助教授」でも堂々の 1位
になることが判明.ブログの中身は変態にかんしてぜんぜん充実していないが,とりあえず以上が調査結果である.

今後このブログに来るときは,「私は変態女子高生」と覚えておけば忘れにくくていいのではないだろうか.「変態助教授」で来るのはやめてもらいたいが.

練習問題.上記の検索語で Google を検索して,「ある平凡助教授の,なんということもない日々」の順位を確かめてみよう.上記とはまったくちがった意外な検索語で上位に来るものが見つかったら,この記事にコメントしてみよう.ただし,ローマ法王と教科書問題関係の検索語は除く.それらで上位に来るのは確認済みだから.
【2005/04/22 21:51 】
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世界の中心で,ナオミという子にナンパされた
そこへ行くとこいびとに会えそうな気がして,僕はときどきその半島を訪れる.きょう行ったとき,初めて会うキミは僕に声を掛けてきたね.キミの名はナオミ.たぶん Naomi と書くのだろう.ゆらゆらと揺れるブランコは「世界の中心で,愛をさけぶ」ブランコだった.そのブランコに乗って,僕らは互いに見つめ合いながら叫び合っていた.

4月15日.ひさしぶりに髪を切った僕はそのまま,庵治半島へ向かった.映画「世界の中心で,愛をさけぶ」(セカチュー) のロケ地のブランコのある,皇子神社に初めてやってきた.その近所にはときどき行くのだが,ブランコのある場所はいつもパスしていた.時刻は真昼.米国なまりの言葉を話す家族連れがピクニックをしていた.僕は庵治の港を見下ろしながら,ブランコの上で揺れていた.心地よい風が吹いて来る.

気がつくと,ちいさな女の子がとなりにやって来て,僕と逆方向を向いて隣のブランコをこぎ始めた.幼女は Hi! Abunai! と僕に声を掛けてきた.ボクの乗り方が危ないと思ったんだろう.Hi, girl, do you come here often? と僕が答えると,少し離れたところにいた母親が Answer his question, Naomi! とかなんとか言った.父親が Sometimes と替わりに返事すると,幼女は That's my car とか言って,そこに停めてあったクルマを指さした.たぶん私道なんだろうけど,ここまで道が通じていたとは知らなかった.その後 Naomi はブランコの上で揺れながら,文字通りいろいろ叫んでいた.世界の中心で,ボクに愛を叫んでいたにちがいない.
【2005/04/22 21:44 】
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「女子学生とつづる純愛アルバム」について
「女子学生とつづる性愛日記」など,いくつかタイトルを考えたが,とりあえずこのカテゴリー名で行こう.そのうち本格的に始める予定なので,当分は出場者募集と行こうか.それとも現在いる数少ないメンバーで出発すべきか.少し迷っている.
【2005/04/22 21:36 】
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「ビジネススクール? 研究は捨てたの?」と哀れみの視線
2004 年の夏のことだった.ある学会でわたしは古い知り合いの,学者たちと言葉を交わしていた.
「いま,平凡助教授さんはどこにいるの?」
「ずっと高松.ま,経済学科辞めてマネジメント研究科に移ったけどね.」
すると,何人かはほとんど
えっ? それってビジネススクール? もう研究は捨てたの?
という言葉を返してきた.他の多くの知り合いたちは言葉を失い,話題を変えようとした.反応にはいくつかのタイプはあったが,表情は一様だった.わたしは強い哀れみの視線を受けてしまった.

バックグラウンド

東京都立大学 (クビ大の前身)がビジネススクールを作ろうとしたとき,同大学の経済学者たちの一部に「経営学グループだけでは『ビジネス・スクール』はおそらく失敗に終わるであろう,そのときに経済学グループもとばっちりを受けては困る」と考えて,協力しようとした者がいた (戸田さんのページ).

大学ちがえど,私の状況も似たようなものだった.ただし私のばあい,それまで作っちゃいけないと主張し続けた専門職大学院構想に自ら飛び込むという暴挙に出たところが,平凡助教授の平凡なゆえんだ.それまで反対しボロクソに言っていた対象でも,「作ると決まってしまったら仕方ないじゃん」と,なんの節操も戦略もなく乗り込んで護送船団よろしく護送されることにしたのだ.なんという柔軟な思考の持ち主であろうか.戸田氏がいたらボロクソに言われたであろう (とは思ってない).そのことについて私は弁明しない.なにも考えがなくてやったことだから,弁明する材料を持たない.

言い忘れるところだったが,その護送船団は,普通の護送船団とはちがってどんどん沈む泥船から成っていた.つまり,修繕しつつ進まなければ沈没してしまうのは分かっていた.「ま,途中で海賊でも来たら脅して修理させようか」というくらいの安易な気持ちで (私は) 乗船したわけだ.

さて,2004年4月,専門職大学院は GSM (大学院地域マネジメント研究科) という名前でわたしの予想通り開設された.(GSM は Graduate School of Management の略.さすがに世界に向けて「地域」を自称するのはかっこ悪いと思ったのだろう.) 「市場で生き残るのが危ない運命でも,政府の段階で蹴ってしまってはドラマもなにもあったものじゃない.いなか者が頑張ってやっぱり失敗するドラマもあっていいだろう」ということで,科学省は蹴らないはずだ.そうわたしはにらんでいため,認可を受けること自体は楽勝だと思っていた.(認可されないことを恐れて「設置の申請を取り下げるべきだ」と同僚の大部分が主張したときも,私は勝算は高いと思っていた.一年延期すれば勝算は下がるとも思っていた.他にも内心そう思っていた同僚もいたかもしれないが,申請を取り下げるのは誤っていると彼らは主張しなかった.では,どうして申請を取り下げないことになったのか[あるいは取り下げを取り下げたのか].それは謎の「火葬場死体蘇生事件 (2003年6月)」があったからだ.) じっさい,そうなったのだ.

設置基準によれば,普通の大学院修士課程には「担当する専門分野に関し高度の教育研究上の指導能力があると認められる者」を,博士課程には「担当する専門分野に関し,極めて高度の教育研究上の指導能力があると認められる者」をある数だけ置くことなっている.一方,専門職大学院の専任教員は「担当する専門分野に関し高度の教育上の指導能力があると認められる」ことを要求されるに過ぎない.大学院修士課程の教員とちがって,研究上の指導力は要求されないし,博士課程の教員とちがって,極めて高度な能力は要求されないのだ.われわれは「研究」と「極めて」の欠落した,まさに「平凡」教員たちである.研究者たちが私に哀れみの視線を向けたのも無理ないのだ.

じっさい,博士課程を持つ大学では関連分野の専門職大学院の教員はまったく研究を期待されていない場合もあると聞く.きちんとした差別化が徹底しているのだろう.だが,私の大学では関連分野には博士課程がない.差別化がいい加減なのだ.だから「べつに禁止されているわけじゃないし,専門職大学院で研究してもいいじゃないか.できるはずだ」という気持ちで GSM に移ったのだ.哀れみの視線をくれた知人の研究者たちに個人的な気持ちを説明してもしょうがない.実績で示すしかないだろうな.(と言いつつ,けっこう説明したよなあ.なにも言わないことは研究から撤退したというシグナルを出すことであり,ますます研究者社会から取り残されてしまうおそれがあるから.)
【2005/04/13 19:58 】
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韓国政府・メディアは日本向け教科書市場に参入してみたらどうかな
1. いちいち文句を付けるのは止めて,自分たちで教科書を書いて日本市場で売ってみてはどうだろう.その方がフェアな競争かも.さて,どれだけ売れるかな.

参考:「韓国では日本の中学歴史教科書の検定結果をめぐって相変わらず非難の声が強いが、韓国政府はこのほど日本に対し、この三月で約三年間の作業を終えた「日韓歴史共同研究委員会」の継続とその傘下に新たに「歴史教科書分科会」を設置することを提案してきた。」(産経新聞: 黒田勝弘)

2. 出版社の扶桑社が教科用図書検定規則実施細則に違反し,検定合格前の歴史教科書を教職員らに配布していたという.新しい歴史教科書をつくる会のメンバーらが執筆した教科書だ.(産経「扶桑社が検定規則違反 中学教科書を合格前配布」)

べつにいいじゃん.中山成彬文科相は「[扶桑社が]ルール違反することは問題だ」というが,教科用図書検定規則実施細則ってルールの方が問題じゃないのか.どうせ「過当な宣伝を防止するため」とか,くだらん理由なんだろ.表現の自由の方が大切だと思うが.詳しい議論は検索で見つけた,中島健「教科書市販のどこがいけないのか ~「新しい歴史教科書」「新しい公民教科書」の市販にあたり~」 に任せよう.

ただ,新しい歴史教科書をつくる会も産經新聞も,検定合格前の本が反対派の間に出回っていることを非難していたはずだ.あまりいい論法だとは思わないよ.反対派ばかりに出回るのを見かねて,対抗策として出版社がより広く配布したのかもしれないけどね.

3. 自分たちが検定を通した教科書を,教科書検定する委員が朝日新聞紙上で批判したそうだ.文科省教科書課は「検定審の委員が自分たちが合格させた教科書を批判しているとすれば自己否定であり,あり得ない」と言ってるらしい.(産経「扶桑社教科書 検定審委員が批判談話 朝日新聞検証記事、文科省「不適切」」)

「あり得ない」なんてところは,さすが組織人だ.だけどべつにいいじゃん.委員はひとりじゃないわけだし,いろんな意見があって当然だと思うが.学者が自分の意見を新聞で言っちゃいけないんだろうか.「機密」(にぜんぜんなってないが) だからいけないとか,そういうわけでもないだろうし.しかも検定は終わっているんでしょう.ま,自分はお国の委員に当たることはないだろうから,心配することはないか.
【2005/04/08 08:20 】
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がんばれ研究者! 「解説屋」に負けるな!
「学者は,組織の維持のために働いているのではなく,学問の進歩に貢献するために働いているのだ。」(「ビジネス・スクール構想」)

ありゃりゃ,戸田さんのクビ大のページとうとう終わっちゃった.タイトルは皮肉じゃないからね.戸田さんは,しばらく大学を去って研究一本で行くんだろうか.いいなあ.ちなみに私はさいきん組織のために働こうとして,かなり自分を見失っていました.

上に引用したのもそうだが,わたしが声に出して読みたい (いや,読んじゃだめだ) かっこいい言葉たちをあと少し挙げてみます.こういう言葉を恥ずかしげもなく言えるには,そうとう実力もいるのだが,私のばあいそこは勘弁してもらいましょう.平凡助教授ですからねえ:

●「学問の発展という全人類に対する貢献を目指す意思と努力が,その基盤になければならない。そのような本質を欠く「研究」「教育」機関は,他国・他地域の大学による貢献に単に寄生する存在でしかない。」(近代経済学グループ声明)

●「研究を解説と同等以下に扱うような『歪んだ物差し』が,(マスメディアの勘違いならともかく) 日本の学問を担うようなまっとうな大学にまで侵入することを認めてはならない。」(結びの言葉)

---それ,うちの大学のことです.わざわざ莫大な努力を投入してどんどん歪ませてる.

● 「『一般行政学とかそんなのは要らない。 大都市経営の行政学,パリはどうか,ロンドンはどうやっているか・・・。』 そんなつまらない (チャレンジングでない) 仕事をしたい優秀な人材はいるのかな。学問の根幹部分の貢献では競争する能力がなくて,そういう路線に『活路を見い出す』しかない人々ばかり集まるでしょうねぇ。そういう人ががんばったとして,一体どれほどの成果があがるのでしょうね。」(夢想)

---わたしの所属する「地域マネジメント研究科」のばあい,「四国事情」をたっぷり教える.冗談のつもりで始めたんじゃないかと思うが,学生も信じてしまったみたいだし,研究費も取りやすいし,いつのまにか本気になってきた感じだ.

もちろん優秀な研究者が地域事情に関するような具体的な仕事をしないかと言えば,「理論」と言われる分野でさえも,そうとも言えないかもしれない.最近の理論は抽象的なフレームワークを前提としても,題材はかなり具体的なものを扱うこともあるから.そういう時代なのだ.(批判されている発言は一般理論は要らないと言ってるみたいだから,このパラグラフはわざとらしいなあ.)

でも,この言葉には不思議と共感を覚える.他の分野はさておき,若い経済理論家なら,普通はこの言葉のように考えるのはまちがいない.

「四国,四国」ってそんなまじめに言うなよ~.
【2005/04/06 22:09 】
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ヨハネ・パウロ二世の戦略的思考
山口昌子というひとの署名記事
「法王がイラク戦に反対したのも、単なる平和主義からではない。イスラム教徒が米英の攻撃を十字軍の再来のようにとらえ、追い詰められたイスラム教徒が狂信的なイスラム原理主義に感化され、テロへと走ることを恐れたからである」
とある.このような戦略的な思考に基づくイラク戦争「反対」ということならば,マイナス点にしなくてもいいかもしれない.

ポーランドの自主管理労組「連帯」を支援してその精神的支えとなったこと.左派勢力との共闘も辞さなかった「解放神学」を拒絶したこと.これだけ採り上げても,ヨハネ・パウロ二世は筋金入りだったと言えるんじゃないか.

産経の社説は,きのうの私の記事同様レーガン大統領を持ち出した:「レーガン大統領が政治家として軍事、政治的に共産主義体制を追い詰めた功労者だとすれば、ヨハネ・パウロ二世は宗教者として精神面から共産主義の非人間性と戦ったキリスト教指導者といえる」.まるでわたしが書いた文章みたいだ.まあ,サッチャー女史やファティマ第三の預言までは持ち出してくれなかったけど.(でもレーガンもヨハネ・パウロ二世も狙撃されたことは書いてる.)
【2005/04/04 12:15 】
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最後から二番目の法王? 三番目の法王?
ファティマ第三の預言 (ファティマ第三の秘密) でも有名なローマ法王が亡くなりました.自由主義の信奉者にとっては,レーガン大統領やサッチャー首相と並ぶスターのひとりでしょう. (産經新聞:「89年、ゴルバチョフ・ソ連共産党書記長(当時)と歴史的会談を行い、ベルリンの壁崩壊を決定的なものにした」.)

法王がポーランド出身の「保守派」ということも手伝って,「在位中に東欧の共産主義体制が崩壊する」などの予言が一部の宗教関係者の間で囁かれたものです.レーガン大統領が狙撃された頃の話.ほとんどすべての国際政治学者の予想に反して,本当にソ連が崩壊したわけだから,啓示の力は凄いというか……国際政治学者はたいしたことないというか. (1986年当時すでに『ソ連崩壊』という本を出していた那須聖という国際政治評論家は例外.ただしこのひとはクリスチャンとしての信念を書いていたと言った方がいいかも.)

さて,俗人の気になるのは,聖マラキの予言 (あと一代か二代でカトリック教会が崩壊する) とかファティマの奇跡の第三の預言 (ローマ教皇の暗殺に関する預言?; しかし全貌は謎) とかでしょうか.どうなるんだろう.他のひとが書いてくれているので,そちらを参照.
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【2005/04/03 11:31 】
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人権擁護法って表現者の人権は守らないのかな
人権擁護法案が話題になっている.「フーゾクへの就職は止しておけ」と教授が学生にアドバイスするだけでフーゾク関係者への差別になるから危ないとか? サンケイによると,安倍晋三 自民党幹事長代理ら反対派は,学者・文化人らと連携し反対運動を盛り上げる構えらしい.安倍氏自身も自分が親北朝鮮団体などから差別者とみなされることを危惧している.

「言論の自由が奪われる」ということでメディアは反対を唱えているのに学問の自由を守るべき大学からはほとんど声が挙がらないことに自分は疑問を感じていた.しかし,記事によれば,まったくゼロというわけでもないようだ.保守派である安倍氏が連携しようとしている学者・文化人てどんな連中なんだろう.案外,革新派だったりして.

もしこういう法律が出来て表現の自由がますます侵されるようになったらどうしよう.そのときは,表現者としての人権を主張するというのはどうだろう.被差別者である表現者の人権を,人権擁護法自体に守ってもらうのだ.無理かなあ.
【2005/04/02 21:20 】
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